あなたの目の前には、道の名前を記す看板があります。
その看板にはこう書かれています。
「下り坂」と。
人生では、下り坂に苦しめられることがあります。
人気が衰えていく。
売上が下がっていく。
成長が止まり、じわじわ悪くなっていく。
少しずつ状態が悪くなっていく様子は、どんどん追い詰められる様子と似ています。
一気に悪くなるならまだ潔いですが、じわじわ悪くなっていくのは、何とも言えない不安感と焦燥感があります。
下り坂を下っていると、どんどん自分が不幸に落ちていく感覚にさいなまれるでしょう。
少しずつ命を削られているような感じがあります。
不安も不快も、長く続きます。
「いつまで下り坂が続くのだろう。このまま永遠に続くのではないか」という錯覚を覚えます。
しかし、下り坂だからとはいえ、くよくよする必要はありません。
人生では、下り坂のときもあります。
下り坂も必要な経験です。
下り坂を経験しなければ、そのときの心情を理解できないでしょう。
下り坂を経験するからこそ見えてくる問題点や改善点もあります。
上り坂があるということは、どこかに下り坂があるということ。
調子よく上り坂を上がっていても、どこかで勾配が止まり、次に下り坂が訪れます。
永遠に続く下り坂が存在するのは、三次元を無視した、空想の世界だけ。
永遠に続く上り坂がないように、永遠に続く下り坂もありません。
下り坂は、人生の法則であり、必要な出来事です。
どんな下り坂もいつか終わりがあります。
下り坂を阻止しようと、じたばた騒がないことです。
もちろん問題があれば改善すべきですが、特に問題がなければ、余計なことはしないほうがいいでしょう。
じたばた騒ぐと、リズムとサイクルが狂い、かえって下り坂が長引きます。
「これ以上、下りたくない」と思って、歩くのをやめたくなりますが、それでも前に進み続けたほうがいい。
下り坂を嫌がって立ち止まれば、体が冷えて、筋力も衰えてしまい、再び歩き始めるのに苦労します。
再び歩くことができなくなる可能性もゼロではありません。
下り坂であっても、やるべきことはただ1つ。
自分がやるべきことを淡々と続けましょう。
焦らない。
急がない。
騒がない。
普段どおりに仕事をするのみです。
「下り坂のときもある」と考え、冷静になるのが得策です。
上り坂であろうと下り坂であろうと、前に進まなければ、目標には近づけません。
いずれ下り坂が終わることを信じて、ひたすら前に進み続けるのみです。
すると、いつか下り坂が終わり、平坦になります。
次に上り坂がやって来るのです。