投資の途中で「回収不能」とわかる瞬間があります。
投資前は算段がついていても、実際に始まってみると、思うようにいかないのはよくあること。
新事実が判明することもあります。
想定外のトラブルが発生することもあります。
投資が思うように進まないのは、ビジネスでもプライベートでも日常茶飯事。
もちろんある程度の見直しや軌道修正も必要ですが、それでも回収は困難とわかることがあります。
見直しや軌道修正をしたところで、効果が乏しいとわかる。
これ以上投資を続けていても、意味がない。
むしろ損が拡大するだけとわかる。
回収不能と判断したら、中断して、撤退すればいいこと。
ところが、実際は難しいのです。
頭でわかっていても、なかなか行動に移せません。
撤退すると、今まで費やした時間やお金が無駄になります。
「せっかく大きな投資をしたのだから、何とか回収したい」と思う。
「投資を無駄にしたくない」という惜しい気持ちも湧いてきます。
投資した時間やお金が大きいと、撤退にも勇気がいります。
周りから笑われたり批判されたりすることもあるでしょう。
撤退すると「失敗」が確定するため、見栄とプライドが邪魔して、なかなか決断に踏み切れない。
頭で回収不能がわかっていても、強い抵抗感のせいで、なかなか撤退できないのです。
しかし、回収不能と判断したら、惜しい気持ちがあっても、潔く撤退するのが賢明です。
「もう少しだけ」「あと少しだけ」と、撤退をずるずる先延ばししていると、余計な損失が増えるだけです。
損失を取り戻そうとすると、冷静を欠いた行動になり、さらに無駄を拡大させてしまうでしょう。
損切りを恐れないことです。
回収不能とわかったら、どこかで損切りしなければいけません。
恥をかこうと抵抗があろうと、回収不能と判断したら、潔く撤退するのが得策です。
気持ちが焦っているときこそ、冷静な判断をしてください。
早めに撤退すれば、損失が出たとしても、最小限に抑えることができます。
損失は発生しますが、全体から見れば小さなこと。
歯を食いしばって、悔し涙を流しながら決断してください。
撤退直後は悔しいですが、しばらくすれば「あのとき撤退しておいてよかった。正しい判断だった」と思えるでしょう。
失敗は知恵に変えて、次の投資に役立てましょう。