「歯が痛い、痛い」
顎を押さえながら、虫歯に苦しんでいる人がいます。
しかも1本ではなく、数本の虫歯です。
口を開けると、虫歯で歯が黒くなっていることがわかります。
虫歯が進んでいて、腫れも出てきています。
痛みのため、睡眠にも影響しているようです。
「歯が痛いなら歯医者に行けばいいじゃないか」
そう伝えると、意外な返事が返ってきました。
「痛いのは嫌だ」と言うのです。
よくよく考えてみると、不思議な話です。
我慢するほうが、よほど痛いのです。
たしかに歯科治療には、大きな痛みが伴うイメージを持っているのかもしれません。
テレビやドラマの歯科治療のシーンでは、患者が痛みに耐え、苦しそうにしている様子がよく描かれています。
しかし、実際は少し違います。
治療では、痛みを軽減する工夫が施されています。
特に虫歯では麻酔を打つのが基本なので、思っているほどの痛みはありません。
麻酔がしっかり効いていれば、ほぼ無痛のときもあります。
強いて言えば、麻酔を打つとき、ちくっとする程度です。
治療中は独特の機械音が響いて、あまり気持ちのいいものではありませんが、痛みに関しては、思っているほどでないのです。
その人は、悪い想像を膨らませているのでしょう。
「歯医者の治療はものすごく痛い」というイメージに支配されています。
子どものころに受けた歯科治療で、痛々しい記憶があるのかもしれません。
「痛いのは嫌だ」と言いながら、実は我慢しているほうがよほど痛いのです。
あなたの日常にも、そんなケースはありませんか。