「限界になったらギブアップしろ」と言う人がいます。
たしかに限界を超えることはできません。
無理なものは無理。
気力にも体力にも限界があって、気合でどうにかなるものでもありません。
限界になったら、もうそれ以上どうしようもないので、ギブアップするのが正しいように思えます。
しかし、ここに落とし穴があります。
本当に限界になったら、ギブアップしようにも、できないことが多いのです。
限界は「気力・体力がほとんどない」という状態です。
ガソリンが切れかけた車のようなものです。
動こうにも、ほとんど動けません。
限界のときは、ろくに頭が回らず、正常な思考ができません。
意識がもうろうとしていることも多い。
いっぱいいっぱいのときは、限界になっていることにすら気づけないこともあります。
本当に限界になったら疲労困憊で動けず、そもそも逃げようにもできません。
白旗を上げる力すら残っていないこともある。
限界になってから対処するのは、手遅れになりがちなのです。
ギブアップは、限界になってからするのではありません。
限界の手前でするのが正しいのです。
まだ少し余裕が残っているうちのほうがいい。
つまり「ギブアップするにも一定の余裕がいる」ということです。
少なくとも逃げるだけの体力、白旗を上げるだけ力は必要です。
ギブアップするのは悪いことではありません。
諦めることで、また次のチャンスが得られます。
逃げることで解決できることもあります。
この世に自分は1人しかいません。
代えがないのですから、大切にしてしすぎることはありません。
いったんダウンすると、長い療養が必要になります。
もっと自分に優しくなりましょう。
「そろそろ危ない」と思ったら、限界になる前が大切です。
限界のラインを見極めたうえでギブアップしましょう。