執筆者:水口貴博

子どもがすくすく成長する30のしつけ

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子どもからの難易度の高い質問には「調べて教えてほしい」と答えればいい。

子どもからの難易度の高い質問には「調べて教えてほしい」と答えればいい。 | 子どもがすくすく成長する30のしつけ

子どもは何でも興味を持ちます。

「紙は何からできているの?」

「なぜあの人は太っているの?」

「太陽に手をかざすと、赤く見えるのはなぜ?」

単純な質問がほとんどであり、親なりに答えることでしょう。

「紙は木からできているよ」

「太っているのは食べすぎたから」

「手が赤く見えるのは、血が流れているから」

子どもは「なるほど」と思い、合点がいきます。

しかし、です。

時には大人でもわからないような難しい質問が飛んでくることがあります。

「なぜ空は青いの?」

「なぜお砂糖は甘いの?」

「なぜ空気は見えないの?」

シンプルな質問です。

しかし、返答に詰まるのではないでしょうか。

難易度が高い質問に度肝を抜かれることがあるはずです。

そういうとき、わからない質問に対して、大人としてありがちな口実は「大人になったらわかる」です。

「大人になったらわかる」という言葉では、子どもは納得できません。

話を濁された気になり、もやもやした感覚が残ります。

なぜか親から見放された気持ちになります。

こういうとき、子どもの成長が促される答え方があります。

「お母さんもわからないから、調べて教えてほしいなあ」

子どもに調べさせるような質問を返せばいい。

自分で調べさせることを促す言葉です。

無理にかっこつけず、わからないことは正直にわからないと答えましょう。

「図書館に行けばわかるかもしれないよ」

「学校で先生に聞いてよ」

子どもは子どもなりに、わからないことを調べようとします。

先生に聞いたり、本を開いたりするでしょう。

自分から調べたことは身につきやすくなります。

実際のところ、大人でもわからないような内容なので、うまく答えにたどり着けないことがほとんどです。

しかし、大切なことは「調べる」という行為です。

正確な答えにたどり着けなかったとしても、調べるプロセスの中で、知識の向上につながる発見があることでしょう。

いきなり正解にたどり着けなくてもいい。

シンプルな答えほど、答えにたどり着くまでに前提となる知識がたくさん必要です。

階段を上るように、一つ一つ知識を積み上げていく習慣をつけることです。

そういうものです。

いきなり初めから答えは見つからないかもしれないが、何か一歩、前進することです。

子どもなりに調べた結果が返ってきたときは、親は喜んで聞きましょう。

「偉いね。よく調べたね。詳しいね」

子どもはぱっと明るくなり、もっと詳しく調べたくなるでしょう。

その中で、いつの間にか博識になるのです。

子どもがすくすく成長するしつけ(15)
  • わからない質問をされたら「調べて教えてほしいな」と答える。
面倒見のよすぎる親は、子どもから失敗する機会を奪っている。

子どもがすくすく成長する30のしつけ

  1. 自由奔放は教育ではない。
    きちんとしたしつけを施すのが親の努め。
  2. 子どもへのしつけは、常に親が先行する形を取る。
  3. 食べたものは後片付けをさせるよう、しつける。
  4. 「勉強しろ」という親こそ、勉強をする。
  5. 歯磨きの習慣がないと、大人になってから苦労する。
  6. お墓参りの意味を、納得するまできちんと説明する。
  7. 言い訳をしない癖をつけ、反省を促そう。
  8. 整理整頓の基本は、実にシンプル。
    「使い終われば、元の場所に戻す」
  9. 品行方正のある親からは、品行方正のある子が育つ。
  10. 子どもは、親が考えるよりはるかに怯えやすい。
  11. 父と母の教育論は、違っていて当然。
  12. 時には、夫婦喧嘩も必要。
    大切なことはきちんと仲直りすること。
  13. 子どもの前で、夫婦喧嘩をしない。
  14. 子どもは、期待されるほど成績を伸ばす。
  15. 子どもからの難易度の高い質問には「調べて教えてほしい」と答えればいい。
  16. 面倒見のよすぎる親は、子どもから失敗する機会を奪っている。
  17. 意味もなく、子どもにお金を与えない。
  18. 子どもにトイレ掃除をさせると、トイレをきれいに使うようになる。
  19. 喧嘩は、最初に手を出したほうが負け。
  20. 一度のしつけで、素直に言うことを聞く子のほうが珍しい。
  21. 靴とはいえ、侮れない。
    脱いだ靴で、人間性まで判断されてしまう。
  22. できなかった部分より、できた部分を見て褒める。
  23. 10歳になれば、そろそろ子どもへの対応を変える時期。
  24. 子どもにも家族運営に参加させる。
  25. やりたくない習い事は、無理にやらせないほうがいい。
  26. 外国語学習に力を入れるなら、母国語の学習から徹底すること。
  27. 子どもに求めるべきは、速いかより、できるか。
  28. しつけが必要なのは、子どもより、親のほうかもしれない。
  29. 親子の仲とはいえ、閉まっているドアを開けるときにはノックをする。
  30. しつけは弱くても問題ない。
    むしろ、しつけが厳しすぎて非行に走るほうが多い。

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