ギリシャ神話には「ピグマリオンの恋」という有名なお話があります。
キプロス島の王ピグマリオンは、ある日、象牙で女性の像を造りました。
彫刻作品とはいえ、その出来栄えが素晴らしく、恋をしてしまいました。
「何て美しいんだ。いっそのこと生命が吹き込まれ、動き出せばいいのに!」
彫刻に命が宿ることを、寝ても覚めても祈り続けました。
熱意が強いので、それに見かねた恋愛の神アフロディテが特別措置をしました。
なんと、女性の像に生命を与えました。
ピグマリオンとその女性は、めでたく結ばれたというお話です。
祈りが強ければ、その願いのとおりになるという素晴らしいお話ですね。
空想の世界の話であるギリシャ神話に聞こえますが、実は現実の世界でも同じ現象が見られます。
実はこれと似た現象が、今、教育の現場でも起こっています。
先生が生徒に期待をすると、その生徒の成績が伸びやすい結果が発表されています。
「君ならできる」
「君は頭がいいんだよ」
「もっと成績がよくなるはずだ」
先生から期待されていることが生徒に伝わります。
すると生徒たちは、先生からの期待に応えたいと思い、一生懸命に勉強するようになります。
その結果、成績が上がりやすくなります。
先生の願いや気持ち、祈りが生徒に伝わり、そのとおりの結果になっていくというのは、ピグマリオンと同じです。
これを「ピグマリオン効果」と言われます。
ギリシャ神話のピグマリオンのように、祈りが強ければその願いどおりになることから、名付けられました。
親がすることと言えば、子どもに大いに期待することです。
前向きで、ポジティブな言葉をかけて、できると信じるだけでいい。
目に見えない期待でも、子どもには強い影響があります。
子どもは親からの期待を感じると、期待に応えようと行動力が増すのです。