「子どもの才能を伸ばす」というテーマがあっても、その方法は曖昧です。
子どもを褒めればいいのか。
子どもに愛情を与えるといいのか。
親ができることと言えば、無条件の愛を送り続けることです。
愛と才能。
一見すれば、子どもの才能とは関係がないように思えます。
「お母さん、絵本読んでよ!」
子どもが絵本を読んでほしいと、泣き暴れることがあります。
たまたま用事があって忙しいとき、適当な返事をしてしまいがちです。
生まれて間もない赤ちゃんは、何もできない状態です。
生まれたときは、力も服もお金も地位も名誉もない。
あるのは若さのみ。
怒りっぽい親は、子どもの悪いところばかりを見ています。
「弱点」「欠点」「できないところ」「成長の遅れ」など、悪い点ばかりを見ている。
あなたはいかがでしょうか。
子どもができるようになったことは、大人から見れば、ささいなことばかりです。
簡単な字が書けるようになった。
簡単な計算ができるようになった。
子どもを正しく指導するのは、親のしつけの一環です。
ただ、私たちには当然の社会のルール・マナー・常識も、子どもたちには初体験です。
時にはうっかり忘れたり、勘違いをしたりして理解することもあるでしょう。
社会のルール・マナー・常識というのは、すぐ習得できそうな気がします。
しかし、これが落とし穴です。
社会のルール・マナー・常識というのは、底なしの井戸のようです。
大人が何か新しいことを挑戦しようとするとき、さまざまなことを考えます。
どのくらい時間がかかることか。
将来、お金につながることか。
幼いころ、家族全員で動物園に出かけたことがありました。
実家から車で40分ほどのところにある、愛媛県の砥部動物園です。
この砥部動物園には、普通の動物園と少し違った特徴があります。
子が親に似るのは、容姿だけではありません。
コピーしているかのように似ることが、しばしばあります。
たとえば、政治家の息子は政治家になりやすく、医者の息子も医者になりやすくなります。
子どもの行動が消極的なら、行動を封印するような言葉を無意識に使っていることがあります。
「ダメ」
「やめなさい」
私が小学生のころ、同じクラスに登校拒否をする、Mさんという女の子がいました。
初めは毎日、普通に通っていました。
じわじわ来なくなったのではなく、ある日を境に急に、学校に来なくなりました。
エジソンは小学校を、わずか3カ月で中退しています。
3年ではありません。
たったの3カ月です。
子どもにはどんな才能があるのか。
こればかりは、さまざまなことを経験させてあげなければわかりません。
経験したこともないことに「これが合っている」と判断するのは、難しい注文です。
「わが子を天才ピアニストに育てたい!」
そう願って、問答無用でいち早く子どもをピアノ教室に通わせる親がいます。
子どもの才能を開花させようとして、早い時期から厳しく習い事をさせようとします。
勉強の楽しさとは「わからなかったことがわかるようになる」という視野の広がりです。
スポーツの楽しさとは「できなかったことができるようになる」という技術の向上です。
子どもに言葉で伝えようとしても、わかりません。
子どもが好きなことを楽しんで続けていると、親より知識が上回ることがあります。
いくら子どもであろうと、一点に集中して勉強や練習などを積み重ねた結果、著しい上達を遂げることができます。
宇宙の勉強に没頭した結果、親より星の成り立ちに詳しくなるでしょう。
エジソンは幼いころから「なぜなぜ少年」で有名だったそうです。
いえ、エジソンに限らず、本来私たちも子どものころは同様だったはずです。
子どものころを思い出しましょう。
突然ですが、あなたに1つ問題です。
成功の対義語は何か、ご存じですか。
おそらくほとんどの人は「失敗」と答えることでしょう。
私の父と母は、昔から「やりたいことをやりなさい」という教育方針でした。
進路を選択しようとしたときも「自分の希望する道を選びなさい」と言いました。
大学で専攻を決めるときも「勉強したいことを勉強しなさい」と子どもに任せます。
子どもの褒めるべき点を見つけるのが、親の仕事です。
褒めれば褒めるほど、子どもは自信をつけていきます。
子どもを悲しませたり落ち込ませたりしても役にも立ちません。
子どもを早く成長させようと、子どもに大人の気持ちを理解させようとする親がいます。
大人の言っていることが正しくても、なかなかそれは難しい。
子どもの気持ちは、親が理解してあげないといけません。
子どもに自信を持たせるために、親は素晴らしい子孫の話をしてあげましょう。
自分のご先祖様は、偉大なる人物ばかりだという話です。
自分と血縁関係のあるご先祖様に、素晴らしい功績を残した人物がいることを教えます。
子どもは短所があるから、才能が伸びます。
「短所? 長所の間違いではないのか」
いいえ、間違いではありません。
子どもの能力を伸ばすときに、比べて競争させる方法があります。
よその子を意識しながら、競争させる方法です。
事実、競争が必要とされる場面があるのもたしかです。
期末テストまであと3週間。
仕事の納期は、3カ月。
今年も残り1カ月。
「子どもが思うように育ってくれない」
ときどきこうした悩みを持つ親を見かけます。
子どもの教育に悩む親から、よく聞かれる内容です。
「歴史が95点。一方、国語はたったの30点」
もし子どもがこんな点数を取れば、親であるあなたはどう言いますか。
普通の親なら「いい成績」より「悪い成績」を見てしまいます。
勉強には、2つの楽しみがあります。
・学ぶ楽しさ
・生かす楽しさ