子育て

子供がすくすく成長する
30のしつけ

6
6

お墓参りの意味を、
納得するまできちんと説明する。

お墓参りの意味を、納得するまできちんと説明する。 | 子供がすくすく成長する30のしつけ

はるか昔、まだ私が幼いころです。

たしか幼稚園に入園したばかりのころだったと思います。

ある日、親から「お墓参り」なるものに行くと言われ、とぼとぼついていった記憶があります。

お墓参りの意味はわかりませんでしたが、とりあえず家族で出かけました。

水口家のお墓は、小高い山の上にあります。

「誰か特別な人に会うのかな?」

行った先にあるのは、大きな石でした。

たいていお墓参りは、1カ所だけではなく、複数の墓地を巡ります。

どこのお墓に行っても、あるのは大きな石だけ。

別に人がいるわけでも、誰かに会いに行くわけでもない。

そんな大きな石を掃除して、手を合わせて拝むだけ。

何の意味があるのだろうと思っていました。

お墓参りとは大きな石を掃除するものだと思っていました。

もしかしたら以前に、親から「お墓参り」の説明を受けていたのかもしれませんが、覚えていません。

「ご先祖様」という意味がわからなかったり「死」のイメージがわからなかったりして、理解できていなかったのだと思います。

子供に「ご先祖様」という言葉を使っても、まだ通じません。

ご先祖様と言わず「お父さんのお父さんのお父さん」というほうが、まだ直感的でわかりやすい。

ある日、母から「ご先祖様とはお父さんのお父さんのお父さん」という説明を聞いて、ようやく意味がわかり始めました。

「おじいちゃんより昔に生きていた人」

ようやくですが意味がわかり始めました。

 

しかし、です。

そのことが、まだ信じられませんでした。

頭で理解できても、まだ実感が湧きません。

当時、まだ一度も人の死に遭遇したことがなく「人はいつか死ぬ」ということすら空想の世界のような話だと思っていました。

お墓参りの意味がきちんと理解できず、自分のご先祖様が眠っているという実感が湧きませんでした。

「嘘だ! 信じられない!」

どうしても信じようとしない私を見るに見かねて、祖父は驚くべき行動を取ります。

なんと墓石をずらして、本物の骨が入っているところを見せました。

今でもその光景ははっきり覚えています。

ひときわ古い壺の中に、たしかに本物の骨が入っていました。

かなり強烈な光景でした。

「これがお前のご先祖様の骨だ」

「うわっ、本当だ。気持ち悪い!」

骨を見ると、やはり驚かずにはいられません。

実際に手にとって、触ってみました。

自分が生まれる前に、お世話になった人の骨。

この世にはもういない。

何か骨の重さ以外の、違った重みを感じました。

もちろん墓石をずらすのは、ご先祖様も喜ばないでしょう。

 

しかし、信用しようとしない孫への特別措置でした。

「今、自分が生きているというのは偶然ではない」

それを教える機会です。

自分には父がいて、その父にも父がいて、さらにその父にも父がいる。

長い時間を経た、遺伝子のつながりがある。

遺伝子のつながりや、過去のご先祖様のおかげで、今の自分がいることを必死に教えようとしていました。

「このお墓の下には、自分のご先祖様が眠っている。この人がいなければ今日の自分もいなかった」

そういうことをしっかり実感させるのも、親のしつけの1つです。

お墓参りの意味を徹底的に子供に教える。

ご先祖様への感謝の気持ちを持たせるということです。

もうこの世にはいないけれど、自分が生まれる以前、とてもお世話になった人がいたのです。

子供がすくすく成長するしつけ(6)
  • お墓参りの意味を、教える。
言い訳をしない癖をつけ、反省を促そう。

もくじ
子供がすくすく成長する30のしつけ
お墓参りの意味を、納得するまできちんと説明する。 | 子供がすくすく成長する30のしつけ

  1. 自由奔放は教育ではない。<br>きちんとしたしつけを施すのが親の努め。
    自由奔放は教育ではない。
    きちんとしたしつけを施すのが親の努め。
  2. 子供へのしつけは、常に親が先行する形を取る。
    子供へのしつけは、常に親が先行する形を取る。
  3. 食べたものは後片付けをさせるよう、しつける。
    食べたものは後片付けをさせるよう、しつける。
  4. 「勉強しろ」という親こそ、勉強をする。
    「勉強しろ」という親こそ、勉強をする。
  5. 歯磨きの習慣がないと、大人になってから苦労する。
    歯磨きの習慣がないと、大人になってから苦労する。
  6. お墓参りの意味を、納得するまできちんと説明する。
    お墓参りの意味を、納得するまできちんと説明する。
  7. 言い訳をしない癖をつけ、反省を促そう。
    言い訳をしない癖をつけ、反省を促そう。
  8. 整理整頓の基本は、実にシンプル。<br>「使い終われば、元の場所に戻す」
    整理整頓の基本は、実にシンプル。
    「使い終われば、元の場所に戻す」
  9. 品行方正のある親からは、品行方正のある子が育つ。
    品行方正のある親からは、品行方正のある子が育つ。
  10. 子供は、親が考えるよりはるかに怯えやすい。
    子供は、親が考えるよりはるかに怯えやすい。
  11. 父と母の教育論は、違っていて当然。
    父と母の教育論は、違っていて当然。
  12. 時には、夫婦喧嘩も必要。<br>大切なことはきちんと仲直りすること。
    時には、夫婦喧嘩も必要。
    大切なことはきちんと仲直りすること。
  13. 子供の前で、夫婦喧嘩をしない。
    子供の前で、夫婦喧嘩をしない。
  14. 子供は、期待されるほど成績を伸ばす。
    子供は、期待されるほど成績を伸ばす。
  15. 子供からの難易度の高い質問には「調べて教えてほしい」と答えればいい。
    子供からの難易度の高い質問には「調べて教えてほしい」と答えればいい。
  16. 面倒見のよすぎる親は、子供から失敗する機会を奪っている。
    面倒見のよすぎる親は、子供から失敗する機会を奪っている。
  17. 意味もなく、子供にお金を与えない。
    意味もなく、子供にお金を与えない。
  18. 子供にトイレ掃除をさせると、トイレをきれいに使うようになる。
    子供にトイレ掃除をさせると、トイレをきれいに使うようになる。
  19. 喧嘩は、最初に手を出したほうが負け。
    喧嘩は、最初に手を出したほうが負け。
  20. 一度のしつけで、素直に言うことを聞く子のほうが珍しい。
    一度のしつけで、素直に言うことを聞く子のほうが珍しい。
  21. 靴とはいえ、侮れない。<br>脱いだ靴で、人間性まで判断されてしまう。
    靴とはいえ、侮れない。
    脱いだ靴で、人間性まで判断されてしまう。
  22. できなかった部分より、できた部分を見て褒める。
    できなかった部分より、できた部分を見て褒める。
  23. 10歳になれば、そろそろ子供への対応を変える時期。
    10歳になれば、そろそろ子供への対応を変える時期。
  24. 子供にも家族運営に参加させる。
    子供にも家族運営に参加させる。
  25. やりたくない習い事は、無理にやらせないほうがいい。
    やりたくない習い事は、無理にやらせないほうがいい。
  26. 外国語学習に力を入れるなら、母国語の学習から徹底すること。
    外国語学習に力を入れるなら、母国語の学習から徹底すること。
  27. 子供に求めるべきは、速いかより、できるか。
    子供に求めるべきは、速いかより、できるか。
  28. しつけが必要なのは、子供より、親のほうかもしれない。
    しつけが必要なのは、子供より、親のほうかもしれない。
  29. 親子の仲とはいえ、閉まっているドアを開けるときにはノックをする。
    親子の仲とはいえ、閉まっているドアを開けるときにはノックをする。
  30. しつけは弱くても問題ない。<br>むしろ、しつけが厳しすぎて非行に走るほうが多い。
    しつけは弱くても問題ない。
    むしろ、しつけが厳しすぎて非行に走るほうが多い。

同じカテゴリーの作品