「モンスターペアレント」という言葉をご存じですか。
そのまま直訳すれば「怪物のような親」という意味です。
子どもを大切にする気持ちが行きすぎて、社会のルールを破ったり、度が過ぎたクレーマーになっていたりする親のことです。
給食で子どもの嫌いな食事を出したので、学校を訴えようとする親。
授業中に挙手をした子どもたちの中で、当てられなかったから、無視されたとして先生を訴える親。
子どもの喧嘩を止めに入った先生の行為を、体罰として訴える親。
信じられないような、ひどい事例まであります。
いま一度、自分にもそういう兆しがないか振り返ってみましょう。
子どもを大切にしようとしたり、子どもにいい教育を施そうとしたりする気持ちがあるのはわかります。
しかし、いくらしつけとはいえ、誤ったしつけです。
怒りを向ける矛先も、明らかにおかしい。
なぜこのように非常識になるのか。
わが子を大切に思うあまり、ほかが見えなくなっています。
親は、わが子に一点集中です。
その視野の狭さが、いつの間にか、非常識な行為へと結びついています。
こうした状態では、しつけが必要なのは、子どもより親のほうと言われても仕方ありません。
子どもをしつけるのも大切ですが、その前に親として、常識にそった行動ができているかどうか、客観的な目を持つことです。
子どもをしつける前に、1人の親として常識的かどうか振り返ってみましょう。
わが子を愛する気持ちが強すぎて何かに盲目になっていないか。
判断が常識からずれていないか。
考え方が卑屈になっていないか。
自分を客観視できる時間を作ってください。
客観的に自分を見ることができれば、非常識なことをしたときに、すぐ気づけることでしょう。