日本庭園の池の鯉は、ゆっくり泳いでいるから、優雅に見えます。
池の中をゆらりゆらり泳ぐ姿は、余裕があるように見えて優雅です。
音はありません。
波もほとんど立ちません。
ゆっくり泳いでいるので、鯉同士がぶつかることもありません。
ゆらりゆらり穏やかに泳いでいるから、色鮮やかな鯉の姿がより上品に見えます。
これは人でも同じです。
上品な人は普段、落ち着いた行動をしています。
ゆっくり歩き、ゆっくり話し、ゆっくり振る舞います。
常に落ち着きがあって、全体的に動きがスローです。
周りに流されることはなく、常に落ち着いた振る舞いをしています。
タイムプレッシャーを感じているときでも、表に出さず、落ち着いて振る舞います。
上品な人の周りだけ、時間がゆっくり進んでいるかのようです。
ゆっくり落ち着いて振る舞うと、余裕があるように見える。
その余裕を醸し出した雰囲気が、上品で優雅な雰囲気へとつながっていくのです。
では、上品な人はどんなときでもゆっくりしているかというと、それは違います。
上品な人は、いざというとき、速やかに動きます。
きりっとした目つきに代わり、気合が入ります。
モードが「スロー」から「ファスト」に切り替わり、行動全体が俊敏になる。
ささっと動き、ささっと対処します。
歩き方・話し方・振る舞い方がスピーディーになります。
ゆっくりとした動きしかできないわけではなく、状況に応じて行動スピードを調整できているのです。
上品な人になりたいなら、状況に応じて、行動スピードを調整できるようになりましょう。
普段は落ち着いた振る舞いをしつつも、いざというときは、速やかに動けるようになっておきましょう。
迷惑がかからないよう、周りに合わせてスピードを調整することも大切です。
行動スピードを調整できる余裕があるからこそ、上品といえます。
速やかに行動するときであっても、落ち着きは保つようにしてください。
スピードを出して行動しようとすると、慌ててしまい、落ち着きも失われがちです。
余裕を失って速やかに行動すると、ミスや失敗を招きます。
落ち着きを保って速やかに行動するから、ミスや失敗を防げます。
落ち着きは、24時間365日、必要です。
なかなか難しい場面もありますが、できるだけ落ち着きを保つよう心がけましょう。