ときどき威張っている人がいます。
一見すると、威張っている人は偉い人のように思えます。
早口で、声も大きい。
言葉遣いがストレートで、態度も堂々としている。
胸を張っていて、立派な雰囲気を出している。
威張っている人は、自信家に見えます。
威張れるほどの大きな自信があるのだろうと思うかもしれません。
しかし、威張っているから自信や実力があると思うなら誤解です。
わざわざ威張っている不自然な状況に疑問を持ってください。
なぜ威張るのか。
それは、自信のなさの裏返しだからです。
実際より自分を大きく見せるため威張っています。
強そうに見せないと、強く見られません。
偉そうなことを言わないと、偉く見られません。
自分を大きく見せないと、本性がばれそうで怖い。
本当は自信がないので、少しでも自信や余裕があるように見えるよう、虚勢を張っているにすぎないのです。
威張っている人は、意外と気弱な小心者です。
弱い犬ほど、うるさく吠えるのと同じです。
「なめられたくない」という気持ちがあって、虚勢を張るような言動になっています。
威張っている人がいれば「本当は自信がないのだな」と思って間違いありません。
では、本当に自信がある人はどうするのか。
本当に自信がある人は、威張りません。
威張らせてあげようとします。
「さすがですね。すごいですね」
「そうですか。素晴らしいですね」
「ご立派ですね。かっこいいですね」
相手が喜びそうな言葉を並べて、うまくおだてながら威張らせてあげます。
自信がないから威張らせているのではありません。
すでに相手を威張らせてあげるくらいの余裕があるのです。
威張らせているのは、それだけ自信と余裕がある証拠。
その気になればいつでも勝てるので、手のひらで転がすかのごとく、上手に相手を操っているのです。
威張っている人と威張らせている人がいるなら、実際は威張らせている人のほうが実力者と考えていいでしょう。
ゆっくり落ち着いた態度で、にこにこほほ笑みながら威張らせている人がいれば、相当の実力者に違いありません。
あなたは、威張る側ですか、威張らせる側ですか。
威張る側ではなく、威張らせる側になりましょう。
多くの経験を積んで、しっかり自信をつけ、大きな余裕を作ることが大切です。
本当に自信があるのは、威張っている人より威張らせている人なのです。