物語には「主役」と「脇役」が存在します。
一般的に注目を集めるのは、主役です。
仲間たちを引っ張っていく存在であり、物語の中心人物です。
スポットライトの当たる回数が多く、最も華やかでかっこいいポジションです。
レベルやランクで分けると、脇役より主役のほうが高いことになるでしょう。
そのため多くの人は、花形である主役に憧れ、日々修行に励みます。
ところが、どう頑張っても主役になれない現実に気づくことがあります。
主役になるには、一種の才能が必要です。
容姿端麗であること。
気力・体力・精神力がたくましいこと。
人をまとめる能力があること。
的確な判断能力があること。
高いコミュニケーション能力があること。
数多くの条件がそろって初めて主役の座を勝ち取れます。
後天的な才能だけでなく、先天的な才能が含まれることも少なくありません。
あるとき、主役になるためには一定の才能が必要とわかってしまう。
そして自分には、そうした恵まれた才能はないと気づいてしまう。
そんなとき、こう思います。
「自分は主役になれない。脇役しかできない人間だ」と。
主役になれないと悟ったとき、道が絶たれ、絶望してしまうのです。
しかし、ここに誤解があります。
引っ張るだけが才能ではありません。
支えるのも、立派な才能です。
もし自分に引っ張る才能がないとわかれば、支える才能を発揮しましょう。
引っ張る才能はなくても、支えることならできるはずです。
脇役は、スポットライトが当たりにくくて目立ちにくいポジションですが、高い存在価値があります。
主役が活躍できるのは、脇役の活躍があってこそです。
大切なのは「どれだけ目立つか」ではなく「どれだけ活躍できるか」です。
脇役は、主役ほど目立つことはないかもしれませんが、主役と同じくらい活躍できます。
支えることを使命として全うすれば、主役以上に活躍することも可能です。
いずれ「陰の主役」と呼ばれる可能性もゼロではありません。
主役にこだわらないことです。
才能あふれる主役とはいえ、できない仕事もあるでしょう。
主役が主役らしく輝けるのは、陰で支える脇役の存在があってこそです。
主役もまた、あなたが陰で支えてくれることを祈っています。
主役と脇役の才能が一致したとき、相乗効果が生まれ、偉大な仕事を発揮できます。
脇役なら、脇役としての使命を全うしましょう。
主役も素晴らしいが、脇役も素晴らしい。
引っ張るのが才能なら、陰で支えるのも才能なのです。