執筆者:水口貴博

犬の気持ちを理解しながら育てる30の方法

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飼い主が気を配る必要があるのは、生まれたばかりの子犬より、むしろ子どもたちの行動。

飼い主が気を配る必要があるのは、生まれたばかりの子犬より、むしろ子どもたちの行動。 | 犬の気持ちを理解しながら育てる30の方法

赤ちゃんを産んだ後の親犬を見たことがある飼い主ならわかると思いますが、いつもと違う異変に気づくはずです。

出産後の親犬は、神経が高ぶります。

近づこうとすると、いつも以上に驚いて反応し、警戒します。

うなってくることがあります。

子犬に誰も近づかせないような雰囲気があり、飼い主でも近づきにくくなります。

生まれたばかりの子犬を無理に抱きかかえようものなら、飼い主でも、手を噛んでやめさせようとする行動は、珍しくありません。

出産後、親犬の態度が急変して飼い主は戸惑いますが、飼い主のことが嫌いになったわけではありません。

子犬を守るために、神経が過敏になっているだけです。

「産んだ子を守らなければならない」という母性本能が働いているためです。

生まれたばかりの子犬は力が弱く、外敵から襲われやすいので、親犬が守ってやらなければなりません。

子犬を守るために、常に子犬たちに監視して、外敵から守ろうとしています。

そのため飼い主が近づくだけでも、過剰に反応して、興奮しやすくなっています。

さて、そのとき問題になりやすいのは「犬の子」より「人の子」のほうです。

特に気をつけていただきたいのは、家庭に子どもがいる場合です。

生まれたばかりの子犬を目の前に、子どもがじっとしているはずがありません。

子どもは無理に触ったり引っ張ったり、動きも不規則。

親犬は特に警戒をします。

そうした行動が、余計に親犬の気に触れてしまいます。

子どもが、親犬の警戒を振り払って子犬を抱きかかえようとした結果、親犬が本気で噛みつく場合があります。

本気で噛みつかれると、かなり深い傷を負います。

出産後の親犬や子犬など、気になる気持ちはわかりますが、できるだけそっとしてあげたほうがいいでしょう。

飼い主が、本当に気をつけなければならないのは、生まれたばかりの子犬より、子どもたちのほうなのです。

犬の気持ちを理解しながら育てる方法(24)
  • 出産後の親犬や子犬は、あえてそっとしてあげる。
水口家での飼い主と犬との間にあった、暗黙の了解。

犬の気持ちを理解しながら育てる30の方法

  1. 犬が素早く動くものに反応してしまうのは、野生だったころの名残。
  2. 犬同士にも相性がある。
  3. 痛みでしつけようとすると、犬から嫌われる。
  4. 広いハウスより、狭いハウスのほうが、落ち着く。
  5. 実は、犬も夢を見る。
  6. 犬は色を見分けるのが、大の苦手。
  7. 先住犬がいる家で、新しく犬を飼うときの注意ポイント。
  8. なぜ犬は、飼い主に叱られたときほど大きなあくびをするのか。
  9. 大はしゃぎする犬を、おとなしくしつける方法。
  10. 猫は、舌の上で水をすくって飲む。
    犬は、舌の裏で水をすくって飲む。
  11. 犬用のお洋服は、単なるおしゃれだけではなかった。
  12. 「褒める量」より「叱る量」のほうが多くなっていませんか。
  13. いきなり登場したハウスに、なかなかなじんでくれないときの対処。
  14. いくらおなかがすいているとはいえ、拾い食いはやめさせる。
  15. 道端の草は、衛生的によくないので食べさせないほうがいい。
  16. 餌をやるのが楽とはいえ、出したままにするのはやめたほうがいい。
  17. なぜか自分からリードを噛み切って、飼い主のもとを離れたがる犬の気持ち。
  18. 首輪に連絡先を書いた迷子札をつけておけば、迷子になっても怖くない。
  19. よく噛んで食べさせるのを、強要しないようにする。
  20. 犬は肉食。
    好きな肉にも、順番がある。
  21. 犬のマーキング行為は、存在のアピールをする重要な役目を果たす。
  22. 犬が変なポーズで寝始めたら、飼い主は大喜びしていい。
  23. 犬が本当に成長するために必要なのは、意外にも飼い主以外の人と接する機会。
  24. 飼い主が気を配る必要があるのは、生まれたばかりの子犬より、むしろ子どもたちの行動。
  25. 水口家での飼い主と犬との間にあった、暗黙の了解。
  26. 屋外で飼うなら、犬の立場になって考える必要がある。
  27. 犬のよだれは、人の汗に相当する。
  28. においを嗅ぎ回る犬は、人がニュースを確かめることに相当する。
  29. 動物病院の選び方で大切なのは、先生の思いやり。
  30. 曖昧な部分を残したほうが、犬との付き合いはうまくやっていける。

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