執筆者:水口貴博

犬の気持ちを理解しながら育てる30の方法

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先住犬がいる家で、新しく犬を飼うときの注意ポイント。

先住犬がいる家で、新しく犬を飼うときの注意ポイント。 | 犬の気持ちを理解しながら育てる30の方法

すでに犬を飼っていて、ちょっとした縁があり、もう1匹新しく子犬を飼うときがあります。

1匹では物足りない事情の人もいれば、友人から「もらってほしい」という事情で譲り受けることもあるでしょう。

そんなとき飼い主が心配するのは、新しく入ってきた犬が先住犬とうまくやっていけるかどうかです。

飼い始めてからでないと、うまくやっていけるかどうかわからず、大きな不安を感じることでしょう。

犬同士にも主従関係があります。

基本的に、先に住んでいる犬が「主人」になり、後から入ってきた犬は「従者」になります。

そういう主従関係は自然であり、主である先住犬が後から入ってきた犬に、あれこれと親分の役目になって教えます。

それは決して喧嘩をしたりいじめたりしているわけではなく、先輩としての仕事をきちんとしているので問題ありません。

先住犬に新しい犬を紹介して主従関係ができた後、うまくやっていけるかどうかしばらく様子見です。

それで仲良くやっているなら問題はありませんが、トラブルが発生することもあります。

先住犬の先輩らしい態度が、少し厳しすぎる場合です。

実際、新しく入ってきた犬と先住犬との仲が悪くなることは珍しくありません。

やはり、すでに先住犬が飼い主と関係を築いている間に割って入ってきますから、いい気はしないことでしょう。

「後から入ってきたくせに、偉そうなことはさせないぞ」と思います。

その原因も1つには考えられますが、飼い主が原因になっていることもあります。

飼い主の注目が新しく入ってきた犬に偏りがちになってしまうことです。

新しく入ってきた犬であるため、やはりそれだけ気になります。

先住犬は、自分のほうが早く住み始め、すでに飼い主との関係が長くて深いだけにショックを受けます。

後から入ってきた犬と飼い主ばかりが仲良くしているところを見ると、気分を悪くします。

そのため、新しく入ってきた犬をいじめたり、態度が悪くなったりします。

たしかに飼い主としては、新しく入ってきた犬が気になる気持ちはあるのでしょう。

また、子犬なら余計に手間がかかり、ほうってはおけなくなります。

意外なポイントですが「飼っている複数の犬を平等に扱わないこと」もポイントです。

新しく犬が加わったとしても、先住犬と一番よく接してあげましょう。

餌をやる順番も、遊びの順番も、まず先住犬を一番にします。

あえて、先住犬側に偏らせます。

それは先住犬のプライドを保つためです。

ほかの犬たちにも「この犬が先輩なんだよ」という意思表示にもなります。

「平等に接したい」という気持ちはあるでしょうが、犬同士にも厳しい上下関係があります。

犬同士の上下関係に沿って、飼い主も合わせて接してあげることが大切です。

アンバランスのように思えますが、実はこれでちょうどいいバランスです。

こうした上下関係を意識しながら接していけば、次第に犬同士は適度な主従関係を築き、同居はうまく行き始めます。

犬の気持ちを理解しながら育てる方法(7)
  • 先住犬を優先して、接する。
なぜ犬は、飼い主に叱られたときほど大きなあくびをするのか。

犬の気持ちを理解しながら育てる30の方法

  1. 犬が素早く動くものに反応してしまうのは、野生だったころの名残。
  2. 犬同士にも相性がある。
  3. 痛みでしつけようとすると、犬から嫌われる。
  4. 広いハウスより、狭いハウスのほうが、落ち着く。
  5. 実は、犬も夢を見る。
  6. 犬は色を見分けるのが、大の苦手。
  7. 先住犬がいる家で、新しく犬を飼うときの注意ポイント。
  8. なぜ犬は、飼い主に叱られたときほど大きなあくびをするのか。
  9. 大はしゃぎする犬を、おとなしくしつける方法。
  10. 猫は、舌の上で水をすくって飲む。
    犬は、舌の裏で水をすくって飲む。
  11. 犬用のお洋服は、単なるおしゃれだけではなかった。
  12. 「褒める量」より「叱る量」のほうが多くなっていませんか。
  13. いきなり登場したハウスに、なかなかなじんでくれないときの対処。
  14. いくらおなかがすいているとはいえ、拾い食いはやめさせる。
  15. 道端の草は、衛生的によくないので食べさせないほうがいい。
  16. 餌をやるのが楽とはいえ、出したままにするのはやめたほうがいい。
  17. なぜか自分からリードを噛み切って、飼い主のもとを離れたがる犬の気持ち。
  18. 首輪に連絡先を書いた迷子札をつけておけば、迷子になっても怖くない。
  19. よく噛んで食べさせるのを、強要しないようにする。
  20. 犬は肉食。
    好きな肉にも、順番がある。
  21. 犬のマーキング行為は、存在のアピールをする重要な役目を果たす。
  22. 犬が変なポーズで寝始めたら、飼い主は大喜びしていい。
  23. 犬が本当に成長するために必要なのは、意外にも飼い主以外の人と接する機会。
  24. 飼い主が気を配る必要があるのは、生まれたばかりの子犬より、むしろ子どもたちの行動。
  25. 水口家での飼い主と犬との間にあった、暗黙の了解。
  26. 屋外で飼うなら、犬の立場になって考える必要がある。
  27. 犬のよだれは、人の汗に相当する。
  28. においを嗅ぎ回る犬は、人がニュースを確かめることに相当する。
  29. 動物病院の選び方で大切なのは、先生の思いやり。
  30. 曖昧な部分を残したほうが、犬との付き合いはうまくやっていける。

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