田舎では、アスファルトで舗装されていない道が多いのが特徴です。
土がむき出しになった道もあれば、砂利道もあります。
おっと、そもそも「砂利道」というものを知らないかもしれませんね。
小さな石ころである砂利が道いっぱいに敷き詰められた、舗装されていない道のことです。
山奥の田舎では、普通です。
今でこそ実家の周りはアスファルトで舗装された道路になりましたが、私がまだ小学生だった当時は、砂利道だらけでした。
その名残が残っているせいか、私は昔から、道路で舗装されている道より、砂利道を歩くほうが落ち着きます。
歩いているとき、砂利を踏む音がします。
その音が、何か癒されているように聞こえてきます。
砂利を踏んだとき、足の裏のツボを押されているようで気持ちいい。
子どものころ、クッピーと遊んでいると、そんな砂利道でかけっこ競争をしていました。
そんなとき、大きくつまずいて、砂利道の上を思いきり転んだことがあります。
思いきり走っている状態で、砂利道でこけると、かなり痛い。
打ち所が悪く、石のかどがちょうど足の関節部分に突き刺さり、ひどい痛みと出血が伴っていました。
本当に痛いと、一歩も歩けません。
もし、人通りの多い道なら、通りすがりの人たちが助けてくれたかもしれませんが、田舎となればそうはいきません。
道はあっても、人も車も通っていません。
何しろ1時間に1台、車が通るか通らないかの環境です。
「痛いー! ! !」
鋭い痛みで、しかめ面になり、身動きが取れませんでした。
そんなとき、クッピーは驚く行動に出ます。
なんと、出血している傷口をなめようとします。
犬でも、私が痛がっていることをきちんと理解し、どこが傷ついているのかもわかっている。
クッピーはくんくんと鳴き始め、心配しているような表情になりました。
飼い主がけがをして痛がっていることを、わかっていないようで、きちんとわかっています。
その瞬間、動物の愛情が伝わりました。
そのときは、痛みが少しずつ和らぐまで、しばらく待ち、何とか急場をしのぐことができました。
クッピーとの心の連携を確かめられた一件だったのです。