犬をしつける際に、厳しい表情で叱ることがあります。
「こら!」
「椅子の脚をかじっちゃダメでしょ」
「そわそわしないでじっとしていなさい」
事実、犬をしつけるなら、悪さをした直後が効果的です。
ある行動をしたときに、飼い主が怒っていると、犬は直感的に「これをしてはいけないのか」と理解し、覚えが早くなります。
叱ることも、愛のあるしつけの1つです。
そんなとき、犬は信じられないしぐさをすることがあります。
なんと、大きなあくびをします。
私も実家で雑種犬を飼っていますが、厳しく叱るときに限って、大きなあくびをされます。
あなたも一度は経験があるのではないでしょうか。
飼い主は一生懸命叱っているのに、犬は無視しているかのようです。
人間があくびをするときといえば、疲れを感じたときや眠いときですね。
もちろん犬も同じで、疲れを感じたときや眠いときもありますが、この状況の場合は少し理由が異なります。
ストレスや緊張を感じたとき、それを和らげようとあくびをしています。
こうしたしぐさを「カーミング・シグナル」と言います。
決して、飼い主を無視しているわけではありません。
むしろ怒っている飼い主の感情を受け止め、ストレスを感じ、反省している様子です。
飼い主としては、犬の品行の悪さに怒りを感じますが、犬のあくびを見たとき、冷静になって自分を振り返りましょう。
少し怒りすぎていませんか。
大きな声で怒鳴りすぎていませんか。
怒ったときに犬が大きなあくびをすれば「怖いよ。もう少し落ち着いてよ」と思っているのです。