犬と一緒に散歩をしていると、電柱のところで立ち止まって、おしっこをする行為が目につきます。
おしっこの量は、ほんのわずか。
しかし、回数は多くて、電柱の前を通るたびに立ち止まって、おしっこをします。
これは「マーキング」と呼ばれる行為です。
自分のにおいをつけて、自分の存在や縄張りをアピールするためにしています。
ほかの犬がすでにマーキングしたところでも、さらに上塗りするかのようにマーキングして、においをつけていくのも特徴です。
犬の臭覚は大変優秀で、おしっこの状態から、さまざまな状態がわかるようです。
マーキングをした犬の種類から、時刻・性別・体調・発情の状態など、単なるにおいとはいえ、さまざまな情報が得られるようです。
私たち人間は単にくさいとしか感じませんが、犬には多くの情報を得られる重要な情報源。
多くの場所に、自分のにおいを残し、またほかの犬のにおいを嗅いだりして、犬社会の状態を確認しています。
オスもメスもマーキング行為をしますが、オスのほうが縄張り意識は強く、頻繁にマーキング行為をするようです。
いわば、人間社会でいう名刺のようなものと言えばいいでしょうか。
自分の名刺をたくさん配ったり、自分のことをアピールしたり、みんなに自分のことを知ってもらいたい気持ちがあります。
また、自分の縄張りを広げることで、存在感の大きさや行動力の強さなどもアピールしています。
このマーキング行為ですが、いくら自然の営みとはいえ、人間社会ではあまり気持ちのいいものではありません。
電柱や街路樹くらいならいいでしょう。
しかし、他人の家の庭や住宅地などでは避けたほうが無難です。
自分の家の庭で、他人の犬におしっこをされるのは決して気持ちのいいことではありません。
場合によっては、トラブルの原因にもなります。
もし民家や住宅地などでマーキングをしようとしたら、リードを引っ張ってやめさせるようにしましょう。
犬には少し我慢が必要ですが、人が暮らす人間社会では、どこでもマーキングをしていいわけではないと教えるためです。