自分の作品を見せるために開く展覧会といえば何でしょうか。
そうです「個展」です。
毎年、さまざまな画家の個展が全国各地で開催されています。
特に人気画家の個展ともなると、多くの来場者が押し寄せ、美術館の前には長蛇の列ができるのが定番の光景です。
そんな個展ですが、世界で最初に個展を開いたのは誰かご存じでしょうか。
正解は、フランスの画家、ギュスターヴ・クールベ(1819~1877)です。
彼は、最初から個展を開こうと思ったわけではありません。
そこには面白いエピソードがあります。
クールベは、1855年のパリ万博に作品を出展しようとしました。
自信作を携えて出展に挑んだものの、結果は落選でした。
血と汗の結晶である自信作も、見てもらう機会がなければ報われません。
もはや存在しないのと同じです。
当時、画家が人に作品を見てもらうには、官展であるサロンに出品するのが一般的でした。
つまり、サロンに入選しなければ、発表できる場がなく、存在しないも同然だったのです。
普通の画家ならここで諦めるところでしょう。
しかし、クールベは違いました。
「出展ができないなら、自分で展示会を開けばいい!」
そう考え、万博会場の近くの建物を借り、自分の作品を見せるための展覧会を開きました。
その名も「ギュスターヴ・クールベ作品展」。
入場料は、1フラン。
これが美術史上、初の個展となったのです。
クールベのすごいところは、落選しても諦めなかったことです。
「機会がなければ、自分でつくればいい」という前向きな考え方は、私たちも見習うべき点です。
落選したからといって諦めるのではありません。
クールベのように、機会がなければ、自分でつくればいいのです。
誰もまだやったことないことかもしれません。
だからこそやってみる価値があるともいえます。
そこから思いもよらぬ展開が待っているかもないのです。
ちなみにこのとき落選した作品『画家のアトリエ』『オルナンの埋葬』は、現在オルセー美術館の至宝となっています。
落選した作品が、時を経た今では至宝となっているのですから、審査は1つの意見にすぎません。
もしクールベが個展を開いていなければ、今ほどの名声を手にすることはなかったでしょう。
そのまま多くの画家の中に埋もれ、一生を終えていたかもしれません。
『画家のアトリエ』『オルナンの埋葬』も世に出ることはなく、無名のまま、歴史の陰に埋もれていたかもしれません。
クールベのように「機会がなければ、自分でつくる」という発想があれば、新しい人生を切り開けるのです。