相手を説得するとき、具体的な根拠を示すことが大切です。
言葉だけの説得では、個人の見解になってしまい「○○らしい」「○○なんじゃないかな」といった曖昧な表現になりがちです。
曖昧な表現では人の心に刺さりません。
相手は聞き入れてくれず、そっぽを向かれてしまいます。
そこで「根拠」という武器を使うのです。
きちんと根拠を示せば「なるほど」と相手は聞き入れてくれるようになります。
話すほうも胸を張って説明できるし、説得力も格段にアップするのです。
たとえば、メンタルヘルスに悩んでいる人がいて、ウォーキングを勧めたい状況があるとします。
「歩くと鬱病になりにくいらしいですよ」という一言だけでは、なかなか説得力に欠けます。
「本当かな? あなたの勝手なイメージじゃないの?」と疑われます。
「らしい」という表現に違和感があって、なかなか相手に信じてもらえないのです。
そこでアプローチを変え、歩くことが鬱病に良いという具体的な根拠を示します。
「1日7000歩以上歩く人は、7000歩未満の人と比べ、鬱病リスクが31パーセント低いという論文があります」と伝えます。
加えて研究で発表された実際の論文や参考URLなども併せて提示します。
個人の見解だけでは疑われますが、論文や研究結果などを示せば、それが大きな根拠となり「なるほど」とうなずいてもらえます。
そしてその情報を示してくれた人にも感謝してくれます。
根拠があると、相手は聞き入れて、しっかり説得できるようになるのです。
根拠を示した説得法は、ビジネスの場では大変有効な手段です。
特にプレゼンの場や上司への説得では大きな効力を発揮します。
根拠を示す癖をつけておけば、胸を張って説明できるし、説得力も格段にアップするのです。