くじ引きのとき、箱の中を一生懸命かき回す人がいます。
箱の中に手を入れて、右回り・左回りにごそごそかき回します。
最後に箱の奥まで手を突っ込み、底のほうにあるくじを引くのです。
本人は、少しでも当選確率を上げるためにかき回しているつもりです。
うまくシャッフルされるようかき回す人もいるでしょう。
ときどき見かける光景ですが、ちょっと待ってください。
じっくり箱の中をかき回したところで、当選確率は上がるでしょうか。
いいえ、上がりません。
人間とは不思議なもので、なぜか余計なことをしたがります。
かき回したほうが当選しやすいような感じがしますが、実際は気のせいです。
いくらかき回そうと、箱の中は見えないのですから、確率は変わりません。
シャッフルをするつもりでかき回す人もいますが、これも無意味です。
箱の中が見えないのですから、シャッフルの意味もありません。
そもそもくじ引きは最初からシャッフルされているので、わざわざ余計なことをする必要はありません。
かき回すのは、無意味な行為なのです。
くじの一番かっこいい引き方があります。
さっと箱の中に手を突っ込み、さっと一番上のくじを取るのです。
迷いもためらいもありません。
無駄な動きも無駄な時間もありません。
一瞬で結果がわかります。
最もスピードがあって、1ミリの無駄もないので、大変スマートに映ります。
多くの人が箱の中をごそごそかき回してからくじを引く中、さっとくじを引けば、ひときわかっこよく目立つこと間違いなし。
くじ引きは100パーンセント運任せなのですから、余計なことはせず、潔く一番上の1枚を引くのがいい。
これほどかっこいい引き方はないのです。