私たちは、切りのいいところから始めたがります。
区切りの悪いところから始めるのは違和感があって、どことなく気持ち悪い。
身の回りの準備もあれば、心の準備もあります。
「せっかくなら切りのいいところから始めよう!」と思うことが多いでしょう。
本を読んでいる最中なら「読み終わってからやろう」と思うでしょう。
テレビ番組を見ている最中なら「見終わってからやろう」と思うでしょう。
切りのいいところから始めたほうが、違和感がなく、自然なスタートができるでしょう。
運も天も味方して、スムーズに進むような気がするもの。
どことなく縁起が良さそうな感覚もある。
忙しい時期なら「来週からやろう」「来月からやろう」と思うこともあるのではないでしょうか。
しかし、ここが要チェックです。
ここに「先延ばし」が隠れていることにお気づきですか。
「本を読み終わってから始めよう」ということは「本を読み終わるまで先延ばしする」ということです。
「テレビを見終わってから始めよう」ということは「テレビを見終わるまで先延ばしする」ということです。
わずかなことですが、知らず知らずのうちに先延ばしが発生しています。
これはほかのことにも言えます。
「明日から始めよう」ということは「明日まで先延ばしする」ということです。
「来週から始めよう」ということは「来週まで先延ばしする」ということです。
「来月から始めよう」ということは「来月まで先延ばしする」ということです。
切りのいいところから始めようとすると、大なり小なり、先延ばしが発生するのです。
人生に余計な先延ばしは禁物です。
先延ばしにしていると、それだけ実行が遅くなります。
時間を置いているうちに、やる気がなくなったり、チャンスを逃したりします。
そもそも気が変わってしまう可能性もゼロではありません。
スタートラインはどこにあるのか。
「やろう!」と思い立った瞬間がスタートラインです。
切りの良しあしなんて考えないことです。
本を読んでいる最中に思い立ったら、本を読み終わってから取りかかるのではなく、今すぐ取りかかりましょう。
テレビを見ている最中に思い立ったら、テレビを見終わってから取りかかるのではなく、今すぐ取りかかりましょう。
中途半端なタイミングでいいのです。
中途半端なタイミングのほうがいいのです。
違和感があろうとストレスがあろうと関係ありません。
これが「善は急げ」の理想形です。
先延ばしが一切ありません。
まさに思い立った瞬間に取りかかる形になります。
「切りのいいところ」という響きに惑わされないでください。
切りのいいところから始める人は、夢を叶えられません。
切りのいいところまで待つのではなく、思い立った瞬間に取りかかる人が、夢を叶えるのです。