休むのが下手な人がいます。
ろくに休暇を取りません。
サボることもなく、いつも真面目で一生懸命。
しかも毎日長時間です。
平日だけでなく休日も働きます。
まさに「仕事の鬼」という状態です。
一見立派なことで「社会人の鏡」に思うかもしれませんが、実は注意が必要です。
いざ休養や療養が必要になったとき、思いもよらないことに悩まされるでしょう。
ゆっくり休もうにも休めなくなるのです。
休むことに体が拒否反応を起こします。
気持ちがそわそわして落ち着かず、思うようにリラックスできません。
ベッドで横になっているのに気持ちが休まらない状況となり、休養・療養を妨げてしまいます。
じっとしているのに、ストレスを感じるという不思議な現象に悩まされるでしょう。
これではもはや何のために休んでいるのかわかりません。
休むことに大きな罪悪感を覚え、強いストレスを感じるのです。
特に個人事業主や経営者など、独立して働いている人に多く見られます。
休んだら仕事や収入が止まる状況に置かれている人は、働くことは上手でも、休むことが下手になりやすい。
「休むこと=悪いこと」と思っています。
「休んだら収入が途絶える。周りに迷惑がかかる」という切迫感・強迫観念があります。
休むことに慣れていないと「長期休暇なんて言語道断」という考え方になります。
仕事に一生懸命なのは結構なことですが、だからといって休まないのは要注意です。
休むことなく働き続けたせいで体調を崩したり入院したりすることになってはもっと悲惨なことになります。
回復に長い時間がかかります。
状況によっては手遅れの状況になることもあります。
毎日働きづめになっていると、いざ病気で入院することになったとき落ち着きません。
こうしたことにならないためにも、日頃からきちんと休養を取る習慣をつけておくことです。
旧約聖書の冒頭は「天地創造」から始まります。
神様は6日間かけてこの世を作り、7日目には休みました。
神様ですら週に1日はきちんと休んだのですから、私たち人間も休むのが自然です。
できれば週に2日は休みたい。
少なくとも週に1日は休みたいところです。
心と体を休める時間を作りましょう。
読書や映画鑑賞の時間を作ったり、美術館や音楽コンサートに出かけてみたりです。
もちろん旅行に出かけてみるのもよし。
1泊2日の旅行でも素晴らしい思い出ができます。
リフレッシュやストレス解消の時間を作るのは間違いなく良いことです。
映画や旅行で得られた知見が、思わぬ形で仕事に生かされることもあるでしょう。
休むことは「健康管理」だけでなく「休むことに慣れる」という意味もあります。
きちんと定期的に休んで、休むことに慣れておくことです。
日頃から休暇の習慣を作っておけば、体調も健康も良好を維持でき、仕事も安定します。
体調を崩して療養が必要になったとしても、抵抗なく受け入れられます。
休養も、仕事の一環なのです。