デパートの食品売り場では、無料で一口の味見ができるところがあります。
「試食コーナー」です。
お店の人がにこにこしながら声をかけてくれます。
「おいしいですよ。おひとつ、いかがですか」
このとき、どんなリアクションをしていますか。
販売促進であるのは百も承知です。
「特に興味はない」と思って、そのまま通り過ぎる人もいるでしょう。
「一口食べると買わなければいけない」と思って、とっさに顔を背けたり断ったりする人もいるでしょう。
「試食はしない主義」という人もいるかもしれません。
しかし、試食コーナーをそのまま無視するのはもったいない。
ここに食の可能性が隠れています。
試食コーナーとは、言い換えると「無料で味を知ることができるチャンス」です。
普通は買わなければ味を知ることはできませんが、試食であれば、お財布を傷めることがありません。
ただで味をチェックできます。
経済的ダメージがゼロで体験できるのは、大きなメリットです。
試食コーナーとはいえ、ばかにできません。
試しに一口食べてみたところ、思いのほかおいしくて感動した経験があるのではないでしょうか。
わざわざお店が試食させるくらいですから「このおいしさは一度味わってみないとわかりません」というものが多い。
それだけお店にとって、自信たっぷりの商品ということです。
試食したからといって必ず買わなければいけないわけではありません。
ぴんとこなければ、もちろん断ってもいいのです。
心理的に断りにくいかもしれませんが、普通に断って大丈夫です。
「ありがとうございました」と軽くお辞儀をして断ればいいことです。
断ったからといってマナー違反になることもありません。
お店の人から不快に思われる心配もありません。
たかが試食、されど試食。
食の可能性を広げる意味でも、試食コーナーはどんどん利用させてもらうのが吉です。
試食コーナーが3カ所あれば、おなかの許すかぎり、3カ所とも利用させていただきましょう。
試食だけでおなかいっぱいならないように注意は必要ですが、一口であれば平気でしょう。
食品売り場を歩いているうちにカロリーを消費できます。
デパートの試食コーナーで、運命の出会いをすることもあり得ます。
試食で食べたものが気に入って、大好物になるかもしれません。
食の可能性は、デパートの試食コーナーにあります。