酒癖の悪い人に見られる飲み方があります。
それは「一気飲み」です。
「一気飲みはかっこいい」と思う人もいるでしょう。
「一気飲みをすると、盛り上がる」と思う人もいるでしょう。
「男なら一気飲みしかない」と思い込んでいる人もいるかもしれません。
ビール中瓶を、1本まるごと、一気に飲み干す。
場を盛り上げようと、一気飲みで周りを驚かせようとする人もいるかもしれません。
たしかに一気に飲み干す姿は、勇ましく見えます。
かっこよく見えたり、場が盛り上がったりすることもあるでしょう。
そばに部下や同僚がいるなら、かっこつけたい気持ちや尊敬されたい気持ちがあって、一気飲みをしたくなるかもしれません。
「たまにはいいよね」という安易な気持ちで、調子に乗りたくなることもあるでしょう。
ストレスをためていて「飲まなければやっていられない」という気持ちもあるかもしれません。
しかし、どんな事情であろうと、一気飲みは厳禁です。
一気飲みをすると、血中のアルコール濃度が急上昇します。
肝臓は丈夫な臓器であり、多くの代謝を担っていますが、1時間で処理できる能力には限界があります。
肝臓によるアルコールの代謝が間に合わず、アセトアルデヒドが発生して、めまいや吐き気といった体調不良の原因になります。
一気飲みの量によっては、急性アルコール中毒を引き起こす可能性があり、大変危険です。
「一気飲みは命に関わる」と言っても大げさではありません。
お酒の一気飲みほど、危険な飲み方はないのです。
お酒を飲むときに心がけたいのは、スローペースです。
ごくごく飲むのではなく、ちびちび飲むようにします。
一気に飲みたい気持ちがあっても我慢して、ちびちび飲むことを意識しましょう。
アルコールの摂取ペースが緩やかになると、肝臓による代謝もスムーズになります。
地味な飲み方ですが、一口の量が少なくても、じっくり味わえます。
もし周りから一気飲みを強要されても、きちんと断りましょう。
場を盛り上げるためとはいえ、調子に乗らないこと。
尊敬されたい気持ちがあっても、見栄を張らないこと。
かっこいいところを見せたい気持ちがあっても、ぐっと我慢です。
かっこいいところを見せるなら、お酒の飲み方ではなく、仕事の結果です。