服のファッションは、時代や流行に左右されます。
今はやっているファッションは、数年後には廃れているかもしれません。
体形が変わっていて、将来着られなくなっている可能性もあるでしょう。
服は消耗品でもあります。
何度も洗っているうちに、だんだん生地が薄くなり、経年劣化も避けられません。
お気に入りの服であっても、一生着続けるのはなかなか難しいのです。
しかし、言葉遣いは違います。
言葉遣いは、ファッションほど時代や流行に左右されません。
一度身につければ、10年後も20年後も、長く使えます。
使っても減ることはなく、経年劣化の心配もありません。
もちろんクリーニング代もかかりません。
ずっと役立ち、一生の財産にもなります。
言葉遣いは、一生ものなのです。
たとえば「美術館に行く」という表現を「美術館に足を運ぶ」と言い換えてみてください。
意味は同じですが、少し上品な響きに変わります。
「まずい」という表現を「変わった味」「独特な味」と言い換えてみてください。
相手を傷つけにくい、柔らかな表現に変わります。
「男」「女」ではなく「男性」「女性」と言い換えてみましょう。
より丁寧で、改まった言い方に変わります。
「やばい」という表現を「すてき」「素晴らしい」「印象的」など、場面に合った表現に言い換えてください。
感じたことを具体的に表現することで、言葉のセンスが磨かれ、感性も豊かになります。
「年を取る」という表現を「年齢を重ねる」と言い換えてみましょう。
老いることが前向きに感じられるようになります。
クッション言葉を意識することも大切です。
「恐れ入りますが」
「もしよろしければ」
「差し支えなければ」
「お忙しいところ恐れ入りますが」
「お手数をおかけしますが」
ちょっとした一言があるだけで丁寧な印象になり、後に続く言葉を受け入れてもらいやすくなります。
言葉遣いを意識すると、相手に与える印象が良くなります。
丁寧な言葉を使えば、丁寧な雰囲気が生まれ、美しい言葉遣いを使えば、品のある雰囲気が生まれます。
それは服のファッションと同じように、自分をより良く見せる効果があるのです。
自分で発した言葉は自分の耳に入り、心にも影響を与えます。
明るい言葉を使えば、自分の気持ちも明るくなり、前向きな言葉を使えば、自分の心も前向きになるのです。
言葉を口にする前に「もう少し良い言い方はないだろうか」と考えるだけでも違います。
ファッションセンスを磨くことも大切ですが、言葉遣いを磨くことも意識してみてください。
言葉遣いは、言葉のファッションなのです。