まだ出発していないのに「今向かっています」と言う人がいます。
実際はまだ家にいます。
寝坊をして、準備が遅くなりました。
正直に「まだ家にいます。今から出発します」と言うと、相手から叱られそうなので、嘘をつくのです。
「今向かっています」と言えば、相手は「じゃあ、もうすぐ着くだろう」と思い、あまり文句を言われません。
しかし、これはよくありません。
保身の嘘は、相手のためではなく、自分のためが前提になっています。
相手は延々と待たされることになります。
ただでさえ待たせているところ、余計に待たせてしまうことになります。
こちらの様子は見えないのだからばれないように思いますが、誤解です。
保身の嘘は、遅かれ早かれ、ばれます。
「今向かっています」と言ったわりになかなか到着しないので「実際はまだ家にいたんだろう」と気づくのです。
こういう人は、到着して開口一番「渋滞に遭って」「電車遅延があって」「体調不良が悪くて」と言い訳をするのがお決まりです。
謝るより先に言い訳をします。
そして信用を失っていくのです。
こういう人は、遅かれ早かれ、大きな失敗を犯します。
そのときはうまくやり過ごせても、いつか仕事のどこかで取り返しのつかない失敗をして、痛い目に遭うのです。
保身の嘘はやめて、正直に言いましょう。
寝坊をしたなら「寝坊をした」と正直に伝えることです。
「今から家を出ます。急いで向かいます」と正直に言うほうが、相手は時間をつぶす方法を考えられます。
お叱りの言葉は、遅刻した自分へのペナルティーと考えます。
正直に言ってきちんと叱られたほうが、信用が落ちたとしても、まだ傷が浅く済むのです。