私たちは誰でも1人では生きていけません。
すべての人は、生まれてから今まで、さまざまな人に助けられて生きています。
親から愛情と養育を受けるだけではありません。
友人、先生、上司、同僚、部下、ご近所さん、行きつけのお店の店員さん。
親切にしてもらったり、指導やアドバイスをいただいたり、困っているとき助けられたり。
いろいろな人のお世話になって生きています。
これに1つの例外もありません。
だから私たちは今、ここにいます。
しかし、最初は恩や感謝の気持ちがあっても、それが毎回続くと、当たり前の感覚になります。
「されて当然」「あって当然」という感覚になります。
そうしていつの間にか、恩や感謝を忘れてしまうのです。
これはよくありません。
お世話になっていることに変わりはありません。
お世話されることに慣れてしまうと、いつの間にか態度や振る舞いが雑になってしまいます。
おのずと品のない言動が目立ってしまうのです。
品のない人は、すぐ恩や感謝を忘れがちです。
最初こそ嬉しい気持ちを感じてきちんとお礼を言いますが、しばらくすると、だんだん普通の感覚となります。
「それくらい当たり前」という感覚となり、そうして口の利き方や態度が無愛想になるのです。
最終的にはすっかり忘れてしまい、記憶のかなたへと消えるのです。
そのことで、態度や言葉遣いが悪くなるのです。
品のある人は、いつまでも恩や感謝を忘れません。
お世話になっていることがあれば、きちんと心に留めたり、日記やノートに書き記したりします。
いつもお世話になっているなら「いつもお世話になっている」という気持ちを持ち続けます。
恩や感謝を忘れずにいるから、いつまでも丁寧な態度・優しい言葉遣いが続きます。
日記やノートを見返しては「あのときはお世話になったなあ。今の自分がいるのはあの人のおかげだね」と幸せな気持ちになります。
恩や感謝を忘れないでいれば、ずっと優しい気持ちでいられます。
結果として、品の良い状態が保たれるのです。