美術館に行くと、シンプルな絵や抽象画を目にすることがあります。
そうした絵を見て「これくらい誰でも描ける」と言わないことです。
これは配慮に欠けた発言です。
その一言は、画家に対してリスペクトがありません。
「私は美術鑑賞に向いていない人間です」と無知をさらしているようなものです。
美術館に収蔵されているからには、それ相応の意味や理由があります。
シンプルな絵や抽象画であっても、実は貴重なもので、高額で取引されています。
短時間で仕上げられたように思えても、そこに至るまでには、画家の長い経験と努力の積み重ねが反映されています。
画家の人生が投影されていることも少なくありません。
疑問に思うことはあっても、絵を非難するような発言は控えておくのが賢明です。
誰でも描けると思うなら、自分が描けばいいことです。
いざ描こうとしても、思うようなタッチができません。
もちろん高く評価されることも、高額で売れることもありません。
画家は、その絵を描くことに努力をしています。
繊細な美的センスによって描いています。
表面的には簡単そうに見えても、実際に表現するのは難しい。
シンプルな絵でも抽象画でも、その中に「特有の美」が宿っているのです。
絵の良さを理解できないのなら、余計なことは言いません。
静かに鑑賞するのが、美術鑑賞のマナーです。