テレビを見ていると、街頭インタビューのシーンを見かけることがあります。
街角を歩く人に声をかけ、マイクとテレビカメラを向けて取材します。
街頭インタビューは、人々の生の声を直接聞けるため、社会実態の一端を知るのに役立つ調査手法といわれています。
生の声なので本音に違いないと思いますが、実際はどうでしょうか。
もちろん大半は本音で話しているはずですが、本人の言葉だからといって、100パーセント本音とは限りません。
マイクとテレビカメラを向けられると、誰でも緊張します。
受けたインタビューの内容が、テレビ放送される可能性があります。
大手のテレビ局であれば、全国ネットで流れる可能性もあるでしょう。
そうした状況になれば、誰でも緊張するし、体裁を気にして発言することになるはずです。
「変なことは言えない。きちんとした発言をしなければいけない」という心理になるもの。
あなたがインタビューをされる立場になったと想像してみてください。
マイクとテレビカメラを向けられ、あらためてテレビ局の人から取材されると、やはり緊張するでしょう。
周りには通行人もいて、そばで見られたり、話を聞かれたりします。
そうした状況で取材されると、発言に気を遣うのではないでしょうか。
本音とはいえ、変なことは言いにくい。
できるだけ体裁の良い発言をしたくなるでしょう。
こうした視点を持ちながら、テレビの街頭インタビューを見ると、いつもと違った視点で楽しめます。
もちろん多くは本音で発言をしているはずですが、すべてがそうとは限らないということです。
「この人は、マイクとテレビカメラを向けられているから発言に気を遣っているな」と思うこともあるかもしれません。
マイクとテレビカメラを向けられているからこそ、言えない本音もあります。
人々の心理に注目すると、テレビで見かける街頭インタビューが面白く見えてくるのです。