マウスの寿命は、個体差もありますが、およそ25カ月です。
人でいう高齢にあたる19カ月のネズミを、1カ月間、回し車で運動をさせるという実験が行われました。
その結果、ネズミの運動能力は向上しました。
そればかりか、脳内では失いかけていた神経細胞のネットワークが再構築され、若々しさを取り戻した、という結果も出ました。
薬をまったく使わず、運動量を増やすという単純な方法ですが、薬を使った治療以上に大きな効果を上げました。
ネズミを使った実験ではありますが、人についても同じです。
歩くことは、誰でも気軽に行える、体と脳の健康を保つ方法です。
歩くことほど、体のさまざまな部位の筋肉を一度に動かす動作はありません。
歩く習慣を継続することで、体全身の衰えかけている筋肉が鍛えられ、若々しさを取り戻す効果があります。
また「歩く」ということは「外に出る」ということです。
それはつまり、五感を通してさまざまな刺激を得るきっかけになります。
美しい風景を見たり、鳥の声を聞いたり、野花を手でつまんでにおいを嗅いだり、時には食べ歩くこともあるでしょう。
五感を刺激させるため、脳全体をバランスよく刺激できます。
歩くことは、認知症にも効果があるのです。