私は、新宿の山手線を散歩道としてよく歩いています。
この道は、東京の中では「動脈」とも言われるほど、なくてはならない主要な交通網の1つです。
「動脈」という名にふさわしく、道幅は広く、昼間に限らず夜中でも車が多い。
たまたま住んでいる三軒茶屋から新宿までの都合のいい道だったので、会社の行き帰りに歩いています。
しかし、気になることがあります。
さすがに車の通りが多いだけあり、空気がよくありません。
車から排出されるガスが、気になります。
そこで、マスクをしながら歩くようになりました。
市販されている少し高級なマスクです。
さすがにマスクがあると、違います。
しっかりフィルターがされているので、ガスのにおいは気にならなくなりました。
ただ、マスクをすると、呼吸が苦しくなります。
初めは、これが嫌で嫌でたまりませんでした。
マスクを外そうと思った時期もありましたが、排ガスは体に悪いし、仕方なくつけていました。
しかし、マスクをつけてウォーキングをしていたある日のことです。
意外な効用が、体に表れ始めました。
慣れてきたせいか、以前に比べるとマスクの苦しさが軽減されていることに気づきました。
同時に、マスクを外したときの呼吸が、これまでより快適になっていることに気づきました。
楽々と呼吸ができるようになった。
それはなぜか。
おそらく、呼吸をするときに必要とされる胸回りの筋肉が鍛えられたのだと考えられます。
マスクをすることで呼吸がしにくくなりますが、おかげで呼吸をするときの胸回りの筋肉が鍛えられます。
吸う力が強くなり、心肺能力が高められていました。
この瞬間、ひらめきました。
マスクの意外な効用です。
腕を鍛えるときには、ダンベルを持ちます。
では、呼吸する力を鍛えるためにはどうすればいいのかというと、マスクをすることで、息がしにくい状態を作り出します。
一時的に苦しい状態ではありますが、だからこそいい。
それ以後、私は空気のきれいなところでも、わざとマスクをするようになりました。
心肺能力を高めるためです。
もちろん疲れているときはやめたほうがいいですが、体力に余裕のあるときは、わざとマスクをします。
すると、心肺能力を高められ、普段の呼吸が以前より楽になるのです。