人生には浮き沈みがあります。
大きな願いが叶って、嬉しくてたまらなくて、幸せの絶頂を感じるときもあります。
幸せでいっぱいのときは、笑顔が止まりません。
物事がとんとん拍子で前に進み、人生がうまくいっているときは、それがずっと続くような気がするでしょう。
一方、逆のときもあります。
不幸な出来事があって、落ち込んで苦しんで、絶望のどん底に落ちるときもあります。
つらくて悲しいときは、涙が止まりません。
自分の人生は呪われているのではないかと錯覚を起こしそうになります。
人生では、いいこともあれば悪いこともあり、波があります。
しかし、ここで気づいてほしいことがあります。
実のところ、人生の浮き沈みは、あってないようなものです。
「ある」といえばありますが、実はありません。
それは近くで見ているから、浮き沈みに見えるだけです。
もっと遠くから見てみましょう。
双眼鏡が必要なくらい、はるか遠くから見てみてください。
すると、あると思っていた浮き沈みが、平らであることに気づくはずです。
人生は、浮き沈みがあるようで、実は平らなのです。
私たちは、目の前の出来事にとらわれすぎています。
一喜一憂しても疲れます。
いちいち目の前の出来事にとらわれていると、感情の波が激しくなります。
感情の波は、高くなるときも低くなるときも、揺れ動くたびに消耗します。
感情の波が激しいと、余計な精神的消耗を増やす原因になります。
浮き沈みを感じるなら、近視眼的になりすぎているせいかもしれません。
たしかに間近で見ると大きな浮き沈みに見えますが、遠くから見ると、光景が変わることに気づいてください。
もっと視点を高くしてみましょう。
もっと時間軸を引き延ばしましょう。
もっと大局的かつ客観的になってみましょう。
はるか遠くから眺めてみるのです。
人生は、平らな状態です。
人生の真実に気づくと、気持ちが安定して穏やかになります。
幸せの絶頂であっても、浮かれないこと。
不幸のどん底であっても、自暴自棄にならないこと。
いちいち動揺しているのは、近視眼的になっていて、手前のことにとらわれすぎている証拠です。
もっと遠くから眺め、どっしり構えてください。
手前のことにとらわれず、人生全体というスパンで考えてみてください。
人生はすべて、平らに安定しているのです。