「穏やかな人」
そう聞いてイメージするのはどんな人ですか。
「穏やかな人=怒らない人」と考える人も多いのではないでしょうか。
たしかに怒ることがなければ、穏やかな人が実現します。
いつも穏やかに振る舞う。
余裕のある雰囲気が漂っている。
不快なことをされても、にこにこしながら優しく許してくれる。
もちろん常に平穏な心を保てるならベスト。
一切動揺せず、怒りを感じない振る舞いができれば理想的です。
怒ることがなければ、結果として穏やかな人になれるでしょう。
しかし、ここに誤解があります。
実際のところ、完全に怒りを感じない生き方は難しいのが現実です。
私たちが生きるのは、情報社会・スピード社会・ストレス社会です。
変化と刺激にあふれているのが現代社会。
めまぐるしい社会の中で生活をしていると、少なからず怒りを感じる場面があります。
迷惑なことがあれば、誰でもむっとするでしょう。
思いどおりにいかなかったりトラブルに巻き込まれたりすれば、いらいらすることもあります。
まったく怒りを感じないなら、もはや聖人君子です。
普通の人なら、不快なことをされたら、怒りを感じて当然です。
怒りを感じるのはいいのです。
怒りを感じるのは、普通の人間である証拠です。
怒りを感じるまでは、まだ誰にも迷惑をかけていないので許容範囲です。
では、何がいけないのか。
怒りを爆発させるのがいけないのです。
怒りを爆発させると、相手にストレスをぶつけることになります。
摩擦や対立が生まれたり、口論や喧嘩になったりなど、本格的なトラブルに発展します。
人間関係にひびが入ります。
時には取り返しのつかない出来事に発展することもあるのです。
大切なのは、怒りを爆発させないこと。
怒りを感じるまではOKですが、爆発させるのはNGです。
怒りを感じることはあっても、表に出さないようにしましょう。
心の中は怒りでむかむかしていても、表向きは平静を装い、にこにこします。
深呼吸で息を整え、心を大きくして、怒りを静めるよう心がけます。
怒りをコントロールする自信がなければ、一度その場から離れて、時間を置くのがいいでしょう。
時間が経つにつれて怒りが静まっていき、冷静を取り戻せます。
怒りを爆発させることさえなければ、人付き合いには影響しません。
にこにこしていれば、周りから「心が広い」「器が大きい」と評価してもらえるでしょう。
怒りを感じることはあっても、爆発させないことが大切なのです。