とある市で、納税通知書の敬称漏れのトラブルがありました。
宛名の「様」が印字されていない納税通知書が納税者に送付されてしまったのです。
受け取った人が見れば、自分が呼び捨てをされたように感じるでしょう。
市は、市ウェブサイトで謝罪コメントを発表する事態になりました。
敬称漏れの原因は、通知書の様式の変更でした。
今までの通知書は、もともと敬称が印字されていた様式でしたが、新しい様式は敬称なしのものでした。
敬称を付けて印字すべきところで起きたミスとのこと。
つまり、うっかりが起きたということです。
こうしたトラブルの際、腹を立てる人がいます。
敬称がないなんて納税者に失礼だと。
たしかに敬称がないのは良くないことですが、だからといって腹を立てるほどのことではありません。
そこに悪意はありません。
わざとやったことではなく、ただのチェック漏れに過ぎません。
納税額を間違えていたわけでもなく、致命的なミスというわけでもありません。
一目見て、担当者のうっかりであることはわかるはずです。
日常ではよくあることです。
ヒューマンエラーは必ず起きます。
ゼロに近づけることはできても、ゼロにはできません。
人は誰でもうっかりを経験します。
こういうときこそ、寛大な心です。
人生を生きていくうえで寛大な心は大切です。
できることなら「敬称がない分、インク代が節約できたね」という考え方をしたいところ。
そういう前向きな考え方ができれば、寛大な心でにこにこできるのです。
これはメールでもよく起こります。
社内向けメールや社会向けメールでも、敬称漏れのメールがよく見受けられます。
恐らく今この瞬間も、敬称漏れのメールが世の中を飛び交っているでしょう。
敬称がないメールを受け取ったときは「うっかり漏れたのだろう」「ミスをしてしまうほど忙しかったのだろう」と思えばいいこと。
それだけのことです。
悪意がないのは明白なのですから、ポジティブに解釈したほうが精神衛生的にも良い状態でいられます。
大きな心を持てば、優しい気持ちでいられるのです。