行き止まりと思っている壁。
もうこれ以上、先に進めません。
叩いても押しても引いても、動く様子はありません。
仕方なく引き返そうとしますが、そのとき、壁の隅に何か見えました。
ドアノブです。
目の前にある壁は、実は単なるドアでした。
ドアノブが見えなかったので、壁だと思い込んでいました。
ドアノブを回せば、ぴくりともしなかった壁が、ぱかっと開きました。
あっけなく開いた様子を見て、今まで壁を壊そうとしていた苦労は何だったのかと思うのです。
思い込みは怖い。
思い込んでいることが正しければいいのですが、間違っていれば、面倒なことになります。
間違って思い込んでいると、事実を誤認して、余計な遠回りをしています。
もし壁だと思い込んで引き返していれば、きっと違った人生を送っていたでしょう。
あなたの目の前にある壁も、実はドアではないでしょうか。
ドアノブに気づいていないので、壁だと思い込んでいるだけです。
叩くのではありません。
押したり引いたりするのでもありません。
ドアノブをよく探してください。
ドアノブは、いつもの場所にあるとは限りません。
ドアの上のほうかもしれませんし、下のほうかもしれません。
ドアノブを見つければ、ぴくりともしなかった壁が、ぱかっと開くのです。