さあ、ペットに餌を与えましょう。
自宅で飼っている犬や猫のことではありません。
「ペットを飼っていないよ」という人もいるかもしれませんが、誤解です。
私たちは、誰もがおなかの中で「ペット」を飼っています。
あなたのおなかの中にいる、腸内細菌です。
腸内細菌は、微生物です。
1個当たりの大きさは、およそ1マイクロメートル。
つまり、1ミリメートルの1000分の1の大きさです。
肉眼で見えないほど本当に小さな存在ですが、微生物という名のとおり、小さいながらもきちんと命の宿った生き物です。
腸内にはおよそ1000種の細菌が、およそ100兆個も存在しています。
なんて膨大な数なのでしょう。
あなたのおなかは、ペットの住む小屋です。
あなたのおなかの中には「腸内細菌」という名のペットが100兆個も住んでいます。
まずこれに気づくことが大切です。
食べるという行為は、自分の腹を満たすだけでなく、ペットの餌やりでもあります。
あなたが食事をするということは、自分のためであると同時に、腸内細菌のためでもあります。
体にいいものを食べれば、自分も腸内細菌も生き生きして元気になれます。
口にするものはすべて、自分のためだけでなく腸内細菌のためにもなることに気づいてください。
食事の選び方にはいっそう気遣う必要があるのです。
腸内細菌の喜ぶ食べ物とは何でしょうか。
「発酵食品」です。
代表的なものは「味噌」「納豆」「ぬか漬け」「ヨーグルト」「キムチ」「チーズ」があります。
意外と知られていませんが「日本酒」「ナタデココ」「コーヒー」「チョコレート」も発酵食品です。
コーヒーであれば、日常の飲み物として取り入れられますね。
チョコレートであれば、おやつの代わりとして取り入れることができるでしょう。
日頃の食事にちょっと追加するだけでOKです。
発酵食品には、悪玉菌を減らし、善玉菌を増やす作用があります。
また腸の働きを活性化させる作用もあってお通じもよくなります。
さあ、そろそろ食事の時間です。
あなたのおなかの中にいるペットが「今日のメニューは何? できるだけおいしいものが食べたい」と叫んでいます。
ペットの期待に応えるためにも、できるだけ腸内細菌の喜ぶものを食べましょう。