嘘には、2種類あります。
「自覚の嘘」と「無自覚の嘘」です。
どちらも「嘘をつく行為」という点は同じですが、意識の質が違います。
日常では、ときどき嘘をついてしまう場面があります。
自分がついている嘘はどちらに当たるのか、きちんと分けて考えておくことが大切です。
自覚の嘘とは「自分は嘘をついている」という意識がはっきりある嘘のことをいいます。
嘘は、相手を騙す行為であり、人を傷つけたり落ち込ませたりします。
嘘の内容によっては、精神的ダメージだけでなく、経済的なダメージを与えることもあります。
しかし、自覚の嘘はまだ救いがあります。
もちろん好ましくない行為ではあるものの、少なくとも「自分は嘘をついている」「よくない行為」という意識があります。
自覚の嘘は、あくまで本人が気づいているので、罪悪感と良心の痛みがあります。
よくない行為なので、できるだけ最小限に抑える努力をしようとします。
できるだけ嘘を最小限に抑える努力もするでしょう。
相手に迷惑がかかれば、後から謝ることもできます。
また、すべての嘘が悪いとも限りません。
人を元気づけたり勇気づけたりする嘘もあります。
未来につながる明るい嘘なら、悪影響はありません。
人の役に立つ言葉なら、たとえ嘘であっても喜ばれます。
自覚の嘘以上に怖いのが、無自覚の嘘です。
無自覚の嘘とは、自分が嘘をついていることに気づいていない嘘のことをいいます。
上記の行為に心当たりがあるなら、無自覚の嘘が発生している可能性があります。
最初は自覚のあった嘘も、習慣化されて当たり前の行為になると、無自覚になることがあります。
もはや本人は嘘をついている意識がなくなります。
これが一番怖い。
無自覚の嘘は、本人が意識していないので、頻繁に繰り返されます。
平然と嘘をつくため、いつの間にか周りに迷惑をかけます。
無自覚なので、罪悪感も良心の痛みもありません。
嘘をついた責任を果たすこともありません。
知らず知らずに、人を悲しませたり落ち込ませたりするリスクが潜んでいます。
無自覚の嘘は、本人が気づかないかぎり、改善されることはありません。
むしろどんどんエスカレートして、無自覚の嘘が増えることもあります。
この状態を「虚言癖」とも言います。
虚言癖は、必ず人間関係のトラブルを招きます。
無自覚の嘘である「虚言癖」に心当たりがあるなら、改善が必要です。
特に人から嘘つき呼ばわりされることが多いなら、自分に無自覚の嘘がないか疑ってみるといいでしょう。
「発言と行動が一致しているか」という点で、客観的に自分を振り返ってみます。
一貫性のない言動が目立つなら赤信号です。
自分の発言をメモに書き記すと、客観視がしやすくなって判断が容易になります。
もし自分をよく知る友人がいるなら、自分に虚言癖の傾向がないか、直接聞いてみるのも1つの方法です。
親しい友人なら、正直に話してくれるはずです。
発言と行動が一致しないことは誰でもまれにありますが、限度を超えているなら、虚言癖の可能性が高いと考えていいでしょう。
いま一度、自分の発言を振り返り、発言と行動が一致しているか振り返ってみてください。
自覚の嘘も怖いですが、無自覚の嘘はもっと怖い。
無自覚の嘘は人間関係に悪影響を及ぼすため、心当たりがあるなら、意識的な改善をおすすめします。