不良と呼ばれる子どもには、自己評価の低さが目立ちます。
「自分は人として失格だ」「自分には生きている価値がない」という発言が多く、自己評価が低いです。
では、なぜ、このように育ってしまったのか。
一概には言えませんが、大きな原因の1つが考えられます。
「幼少期に受けた親からの厳しい言葉」です。
実は、こうした不良の親を見てみると、多くの場合「厳しい親」という共通点が多く見られます。
社長・学校教師・学習塾の先生・宗教家・コンサルタント・会計士。
親が「先生」と呼ばれる職に就いている場合が多いです。
当然「わが子にも立派に育ってもらいたい」という気持ちが人一倍強いですから、子どもに対して厳しくなろうとします。
親が厳しすぎると、子どもに対してどんな言葉になると思いますか。
「そんなこともできないのか」
「動きが遅いぞ」
「本当にダメな子だ」
「この前も同じことを言っただろう」
「情けないなあ」
口にすることと言えば、子どもが自信をなくすような言葉ばかり。
親が優秀で子どもへの期待が大きすぎるため、めったに褒めることがありません。
親の期待が大きすぎるがゆえに、子どもにかける言葉といえば、厳しい言葉ばかりになりやすい。
もちろん子どもに対して将来はきちんと育ってほしい気持ちがあってのことでしょう。
しかし、その気持ちが強すぎると、逆に子どもは自己評価を落としかねません。
当てはまるケースは多いのではないでしょうか。
ここが教育の難しさです。
甘やかしすぎてもいけないが、厳しすぎてもいけない。
大切なのは「厳しい言葉の中に子どもを肯定する言葉があるかどうか」です。
厳しいことは言ってもかまいません。
子育てのしつけでは、やはり厳しくならなければいけないときもあります。
ただし、必ず厳しい言葉の中に、子どもの存在価値を肯定する言葉を含めることです。
「大切な存在だからこそ、わざわざ怒っているんだぞ」
「親も怒るのは大変。でも、わが子のために一生懸命になっているんだ」
こういう言葉には、叱っている厳しさの中に、愛が含まれています。
叱っていても、子どもは自分が認められていると感じ、嬉しくなります。
子どもへの肯定が込められた厳しい言葉なら、子どもは不良になることはありません。
叱られれば叱られるほど「認められている」「大事にされている」「生きる価値がある」という自己肯定を高めるのです。