執筆者:水口貴博

子どもの「生きる力」を育てる30のしつけ方法

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子どもは、自分ではなかなか自分の長所に気づけない。気づかせるのが親の仕事。

子どもは、自分ではなかなか自分の長所に気づけない。気づかせるのが親の仕事。 | 子どもの「生きる力」を育てる30のしつけ方法

私は昔から理系の勉強が好きでした。

父が機械系の仕事をしていた関係で、自宅には仕事で使っている部品がたくさん転がっていました。

変わった形の磁石があったり、コンデンサーやICチップなど専門的な部品もあったりしました。

そうしたものが近場にあるという家庭環境に恵まれていた点もあります。

単に「面白そうだな」と思って、自分から興味を持っていじっていました。

しばらくすると、だんだん機械というものに興味を抱いてきます。

人間があらかじめ命令した動きをしてくれる道具。

これに妙な関心を覚えました。

それ以来、町中にある機械に興味を引かれました。

車が走る仕組み、ラジカセから音が聞こえる仕組み、エレベーターが動く仕組み、お金を入れれば物が買える自動販売機の仕組み。

「自動的に動く物」の仕組みがわかったとき、一種の快感のようなものがありました。

自然とのめり込んでいきました。

そういうことを、自分ではあまり意識がありませんでした。

単に「楽しいな」と思っていただけです。

あまり難しいことは考えていませんでしたし、まだ考えられない年ごろです。

しかし、そこにわが子の長所にいち早く気づいたのは、父でした。

機械関連に興味を持ち始めた私に対し、積極的に機械の話をしてくれたり、部品を持ち帰ってくれたりするようになりました。

ある日のこと、家族が突然「機械の図解」という本をプレゼントしてくれました。

お願いしたわけではありません。

「おそらく貴博は、こういう本が好きだろう」

普段の子どもの様子を鑑みて、買ってきてくれた本でした。

これが私にとって大ヒットでした。

機械の内部構造が子どもにでもわかるよう、カラーの図解つきの説明がありました。

宝の地図を渡されたような感動がありました。

それ以来、本に穴が開くほど何度も繰り返し読んだ記憶があります。

その世界に熱中して、今に至っています。

そうした経緯があり、今では技術系の仕事をするようになりました。

自宅でサーバーを組み立てたり、自分で一からプログラミングを作ったり、システムを構築したりするようになりました。

子どものころからの延長が続いています。

なにより素晴らしいのは、私を励ましてくれた両親です。

子どもは、なかなか自分の長所に気づけません。

子どもは、単に「楽しい。面白い」くらいにしか考えない。

それを気づかせるのが親の仕事です。

私の場合、親が「お前は理系に強い。そういう道に進め」と言い切り、必要な本を与えてくれたことがきっかけでした。

人生を長く生きている親が発見し、子どもに「それこそ長所よ」と、気づかせてあげることです。

子どもの「生きる力」を育てるしつけ方法(6)
  • 子どもに、才能を気づかせ、伸ばせる手助けをする。
子どもの悩みに親が共感するか否かが「話してよかった」と「話さなければよかった」を分ける。

子どもの「生きる力」を育てる30のしつけ方法

子どもの「生きる力」を育てる30のしつけ方法
  1. 子どもの健全な成長に欠かせない3つの要素。<br>「健全な家庭環境」「栄養バランスの取れた食事」「親からの愛情」
    子どもの健全な成長に欠かせない3つの要素。
    「健全な家庭環境」「栄養バランスの取れた食事」「親からの愛情」
  2. 無理やり伸ばそうとするのではない。<br>自然に伸ばそうとする心がけが大切。
    無理やり伸ばそうとするのではない。
    自然に伸ばそうとする心がけが大切。
  3. 勉強は「知識」から教えるのではなく「楽しさ」から教える。
    勉強は「知識」から教えるのではなく「楽しさ」から教える。
  4. 料理上手は、素材の味を引き出すのがうまい人。<br>子育て上手は、子どもの可能性を引き出すのがうまい人。
    料理上手は、素材の味を引き出すのがうまい人。
    子育て上手は、子どもの可能性を引き出すのがうまい人。
  5. 最初は平凡なことを褒めるだけでいい。<br>褒めているうちに伸びていく。
    最初は平凡なことを褒めるだけでいい。
    褒めているうちに伸びていく。
  6. 子どもは、自分ではなかなか自分の長所に気づけない。<br>気づかせるのが親の仕事。
    子どもは、自分ではなかなか自分の長所に気づけない。
    気づかせるのが親の仕事。
  7. 子どもの悩みに親が共感するか否かが「話してよかった」と「話さなければよかった」を分ける。
    子どもの悩みに親が共感するか否かが「話してよかった」と「話さなければよかった」を分ける。
  8. 淡泊な質問に対しては、淡泊な返事しかできない。
    淡泊な質問に対しては、淡泊な返事しかできない。
  9. ぜひ、夕食のときに子どもへ質問したい、魔法の言葉。
    ぜひ、夕食のときに子どもへ質問したい、魔法の言葉。
  10. 「本当に気が利く親」というのは、あえて子どもの面倒を見すぎない。
    「本当に気が利く親」というのは、あえて子どもの面倒を見すぎない。
  11. 幼少のころ、苦しんだり悩んだりした経験は、意外なところで役立つ。
    幼少のころ、苦しんだり悩んだりした経験は、意外なところで役立つ。
  12. 遊び道具は、なくても成長できるが、あったほうがもっと成長できる。
    遊び道具は、なくても成長できるが、あったほうがもっと成長できる。
  13. 思考力は「広く浅い体験」より「1つの深い体験」をするとき、養われる。
    思考力は「広く浅い体験」より「1つの深い体験」をするとき、養われる。
  14. 「これだけは誰にも負けない」という自信がほかへと波及し、生きる力につながる。
    「これだけは誰にも負けない」という自信がほかへと波及し、生きる力につながる。
  15. 早起きするといいことがある実感をさせれば、自然と早起きが習慣になる。
    早起きするといいことがある実感をさせれば、自然と早起きが習慣になる。
  16. 1つの夢が、多くの要素を成長させる。
    1つの夢が、多くの要素を成長させる。
  17. 親の仕事は、子どもが失敗したときこそ、褒めること。
    親の仕事は、子どもが失敗したときこそ、褒めること。
  18. 子どもの部屋を持つと、自立心が促される。
    子どもの部屋を持つと、自立心が促される。
  19. 10歳前後になれば、自分の部屋を持たせてもいい時期。
    10歳前後になれば、自分の部屋を持たせてもいい時期。
  20. 努力であれ我慢であろうと、目安があると継続しやすい。
    努力であれ我慢であろうと、目安があると継続しやすい。
  21. 子どものおねしょを叱るのは、意味がない。
    子どものおねしょを叱るのは、意味がない。
  22. 「もう1人の自分を見ているようだ」と驚くのは、子どもより親のほう。
    「もう1人の自分を見ているようだ」と驚くのは、子どもより親のほう。
  23. 卵1つで、子どもに自信をつけさせられる。
    卵1つで、子どもに自信をつけさせられる。
  24. 「まだ早すぎる」は、できるだけ言わないほうがいい。
    「まだ早すぎる」は、できるだけ言わないほうがいい。
  25. 「やってみると、思ったより○○だった」手応えの蓄積が、ゆくゆく子どもの財産になる。
    「やってみると、思ったより○○だった」手応えの蓄積が、ゆくゆく子どもの財産になる。
  26. 夫婦が協力し合っている姿に、子どもは人間としてのあり方を発見する。
    夫婦が協力し合っている姿に、子どもは人間としてのあり方を発見する。
  27. 父親と母親の違いは、あったほうがいい。<br>違いがあるからこそ、子どもは多くのことが学べる。
    父親と母親の違いは、あったほうがいい。
    違いがあるからこそ、子どもは多くのことが学べる。
  28. 子どもに選ばせた靴は、自然と丁寧に扱うようになる。
    子どもに選ばせた靴は、自然と丁寧に扱うようになる。
  29. 自己評価が低い子どもは、不良に育ちやすい。<br>自己評価が高い子どもは、健全に育ちやすい。
    自己評価が低い子どもは、不良に育ちやすい。
    自己評価が高い子どもは、健全に育ちやすい。
  30. 「先生」と呼ばれる親は、子育てに注意せよ。
    「先生」と呼ばれる親は、子育てに注意せよ。

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