執筆者:水口貴博

子どもの「生きる力」を育てる30のしつけ方法

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料理上手は、素材の味を引き出すのがうまい人。子育て上手は、子どもの可能性を引き出すのがうまい人。

料理上手は、素材の味を引き出すのがうまい人。子育て上手は、子どもの可能性を引き出すのがうまい人。 | 子どもの「生きる力」を育てる30のしつけ方法

料理の世界には「料理がうまい人は、味を引き出すのがうまい人だ」という格言があります。

1つの素材から多くの味を引き出す腕があれば、実質、多くの素材を手にしているのも同然です。

テレビなどで優れた料理人が腕をふるい、見事な手さばきで料理を作る場面を見たことがあるのではないでしょうか。

人を魅了するような料理を作る天才的な料理人は、特別な素材ばかりを使って料理しているわけではありません。

日常、どこにでもあるような平々凡々とした素材を使って、料理をします。

うまいのは、素材の使い方です。

煮たり焼いたりすりつぶしたり、素材の味を引き出します。

また、意外な組み合わせによって、素材に隠された魅力を引き出せることもあります。

たとえば「ニンジン」という1つの素材で考えてみましょう。

どこのスーパーでも置いてある、ごくごく普通の食材です。

そのままでは、固くておいしくないと感じる人が多いニンジンですが、調理の仕方しだいです。

ゆでれば柔らかくなる。

細かく刻めば、食べやすくなる。

ミキサーに入れれば、野菜ジュースの隠し味にできる。

あの濃い色は、食を彩る素材にもなる。

活用の仕方しだいによっては、ニンジンはいかようにも変化できます。

いかに、1つの素材から多くの可能性を引き出せるか。

使い方や見方を変えれば、ニンジンには隠された魅力がたくさんあります。

それを発見して生かすのが、優れた料理人の腕です。

子育てがうまい人も、同じ話です。

もちろん生まれ持った子どもの素質によって、子育てのしやすさや可能性も変わることもあるでしょう。

しかし、本当に子育てがうまい人は、子どもをさまざまな面から見つめ、褒められる点を発見するのが上手な親です。

どんな子どもにも、必ずいいところがあります。

それを見つけられるかどうかは「見方」がポイントです。

声が大きいというのは「はきはき話すことができる」という長所になります。

ゆっくり行動するのは「落ち着いて行動できている」という長所です。

自己主張が強い子どもというのは「自分の考えをしっかり持っている」という長所ということです。

大切なことは、子どもをさまざまな面から観察し、たくさん褒めることです。

その中には、思いがけない可能性を見いだすことができるかもしれません。

いかにたくさん褒められるかは、親の手腕にかかっているのです。

子どもの「生きる力」を育てるしつけ方法(4)
  • 子どもからたくさんの長所を引き出し、褒めてあげる。
最初は平凡なことを褒めるだけでいい。
褒めているうちに伸びていく。

子どもの「生きる力」を育てる30のしつけ方法

  1. 子どもの健全な成長に欠かせない3つの要素。
    「健全な家庭環境」「栄養バランスの取れた食事」「親からの愛情」
  2. 無理やり伸ばそうとするのではない。
    自然に伸ばそうとする心がけが大切。
  3. 勉強は「知識」から教えるのではなく「楽しさ」から教える。
  4. 料理上手は、素材の味を引き出すのがうまい人。
    子育て上手は、子どもの可能性を引き出すのがうまい人。
  5. 最初は平凡なことを褒めるだけでいい。
    褒めているうちに伸びていく。
  6. 子どもは、自分ではなかなか自分の長所に気づけない。
    気づかせるのが親の仕事。
  7. 子どもの悩みに親が共感するか否かが「話してよかった」と「話さなければよかった」を分ける。
  8. 淡泊な質問に対しては、淡泊な返事しかできない。
  9. ぜひ、夕食のときに子どもへ質問したい、魔法の言葉。
  10. 「本当に気が利く親」というのは、あえて子どもの面倒を見すぎない。
  11. 幼少のころ、苦しんだり悩んだりした経験は、意外なところで役立つ。
  12. 遊び道具は、なくても成長できるが、あったほうがもっと成長できる。
  13. 思考力は「広く浅い体験」より「1つの深い体験」をするとき、養われる。
  14. 「これだけは誰にも負けない」という自信がほかへと波及し、生きる力につながる。
  15. 早起きするといいことがある実感をさせれば、自然と早起きが習慣になる。
  16. 1つの夢が、多くの要素を成長させる。
  17. 親の仕事は、子どもが失敗したときこそ、褒めること。
  18. 子どもの部屋を持つと、自立心が促される。
  19. 10歳前後になれば、自分の部屋を持たせてもいい時期。
  20. 努力であれ我慢であろうと、目安があると継続しやすい。
  21. 子どものおねしょを叱るのは、意味がない。
  22. 「もう1人の自分を見ているようだ」と驚くのは、子どもより親のほう。
  23. 卵1つで、子どもに自信をつけさせられる。
  24. 「まだ早すぎる」は、できるだけ言わないほうがいい。
  25. 「やってみると、思ったより○○だった」手応えの蓄積が、ゆくゆく子どもの財産になる。
  26. 夫婦が協力し合っている姿に、子どもは人間としてのあり方を発見する。
  27. 父親と母親の違いは、あったほうがいい。
    違いがあるからこそ、子どもは多くのことが学べる。
  28. 子どもに選ばせた靴は、自然と丁寧に扱うようになる。
  29. 自己評価が低い子どもは、不良に育ちやすい。
    自己評価が高い子どもは、健全に育ちやすい。
  30. 「先生」と呼ばれる親は、子育てに注意せよ。

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