執筆者:水口貴博

子どもの「生きる力」を育てる30のしつけ方法

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卵1つで、子どもに自信をつけさせられる。

卵1つで、子どもに自信をつけさせられる。 | 子どもの「生きる力」を育てる30のしつけ方法

料理の多くには、卵が登場します。

私も小さいころから母が料理をしているのを見ていて、卵を割っているのを見たことがありました。

卵を割る光景は、何か独特です。

卵をキッチンのかどに、こんとぶつけて、ひびを入れます。

その瞬間、卵が割れ、白身と黄身を上手に取り出します。

わずか数秒。

料理では当たり前に登場する卵を割るシーンですが、子どもから見ると、マジシャンの手さばきを見ているかのような感覚でした。

かっこいいし、興味を引かれる光景です。

そんなある日、母から料理を手伝ってほしいと言われました。

しかし、私はまだ身長が低く、キッチンの蛇口すら手が届かない状態です。

何を手伝うのかと思っていたら「卵を割るのを手伝ってほしい」と言われました。

「うん、やるやる」

喜んで仕事を引き受けました。

どのくらいの強さで、卵をかどに当てればいいのか、動揺しました。

強すぎると、卵の中身が飛び出してしまうし、弱すぎると卵にひびが入らない。

微妙な力加減が必要です。

何度か力加減に手応えを感じて、卵にひびを入れ、子どもなりに何とか卵を割って中身を取り出しました。

「やった。できたぞ!」

達成感は、大きなものがありました。

目に見えて、その達成した結果が見えます。

母のように手さばきよくこなせたわけではありませんが、初めて料理のために卵を割ったときは嬉しくてたまりませんでした。

それだけで何か大きなことを成し遂げたような気がしました。

母も「上手にできたね。すごい」と褒めてくれました。

私は生まれて初めて卵を割ったときのことを、今でも覚えています。

そのくらい嬉しかったし、妙な自信をつけられました。

そう考えると、子どもに自信をつけさせるのは、実に単純です。

卵1つで、自信をつけさせられます。

今思えば、あのとき母は、子どもに自信をつけさせるため、あえて卵の手伝いをさせたのかもしれません。

卵を割るのは、小さな成功体験の1つです。

ぜひ、子どもに料理の手伝いをさせてください。

もちろんいきなりすべてをやらせるのではなく、卵を割る仕事を手伝ってもらえばいい。

たとえうまく卵を割れなくても、子どもが大けがをする心配は小さいと考えていいでしょう。

また、たとえ卵を割るのに失敗したとしても、卵1つの値段は大きなことではありません。

子どもが卵を割ったとき、親は「上手にできたね。やればできるね」と少し大げさに褒めてあげましょう。

子どもは自信をつけるに違いありません。

まさに、コロンブスの卵。

子どもに自信をつけさせるのは、卵1つで可能なのです。

子どもの「生きる力」を育てるしつけ方法(23)
  • 卵を割らせて「やればできる」という自信をつけさせる。
「まだ早すぎる」は、できるだけ言わないほうがいい。

子どもの「生きる力」を育てる30のしつけ方法

  1. 子どもの健全な成長に欠かせない3つの要素。
    「健全な家庭環境」「栄養バランスの取れた食事」「親からの愛情」
  2. 無理やり伸ばそうとするのではない。
    自然に伸ばそうとする心がけが大切。
  3. 勉強は「知識」から教えるのではなく「楽しさ」から教える。
  4. 料理上手は、素材の味を引き出すのがうまい人。
    子育て上手は、子どもの可能性を引き出すのがうまい人。
  5. 最初は平凡なことを褒めるだけでいい。
    褒めているうちに伸びていく。
  6. 子どもは、自分ではなかなか自分の長所に気づけない。
    気づかせるのが親の仕事。
  7. 子どもの悩みに親が共感するか否かが「話してよかった」と「話さなければよかった」を分ける。
  8. 淡泊な質問に対しては、淡泊な返事しかできない。
  9. ぜひ、夕食のときに子どもへ質問したい、魔法の言葉。
  10. 「本当に気が利く親」というのは、あえて子どもの面倒を見すぎない。
  11. 幼少のころ、苦しんだり悩んだりした経験は、意外なところで役立つ。
  12. 遊び道具は、なくても成長できるが、あったほうがもっと成長できる。
  13. 思考力は「広く浅い体験」より「1つの深い体験」をするとき、養われる。
  14. 「これだけは誰にも負けない」という自信がほかへと波及し、生きる力につながる。
  15. 早起きするといいことがある実感をさせれば、自然と早起きが習慣になる。
  16. 1つの夢が、多くの要素を成長させる。
  17. 親の仕事は、子どもが失敗したときこそ、褒めること。
  18. 子どもの部屋を持つと、自立心が促される。
  19. 10歳前後になれば、自分の部屋を持たせてもいい時期。
  20. 努力であれ我慢であろうと、目安があると継続しやすい。
  21. 子どものおねしょを叱るのは、意味がない。
  22. 「もう1人の自分を見ているようだ」と驚くのは、子どもより親のほう。
  23. 卵1つで、子どもに自信をつけさせられる。
  24. 「まだ早すぎる」は、できるだけ言わないほうがいい。
  25. 「やってみると、思ったより○○だった」手応えの蓄積が、ゆくゆく子どもの財産になる。
  26. 夫婦が協力し合っている姿に、子どもは人間としてのあり方を発見する。
  27. 父親と母親の違いは、あったほうがいい。
    違いがあるからこそ、子どもは多くのことが学べる。
  28. 子どもに選ばせた靴は、自然と丁寧に扱うようになる。
  29. 自己評価が低い子どもは、不良に育ちやすい。
    自己評価が高い子どもは、健全に育ちやすい。
  30. 「先生」と呼ばれる親は、子育てに注意せよ。

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