執筆者:水口貴博

「考える力」のある子どもに育てる30の方法

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お使いとはいえ、いい勉強です。子どもの想像力を鍛える、いい機会になる。

お使いとはいえ、いい勉強です。子どもの想像力を鍛える、いい機会になる。 | 「考える力」のある子どもに育てる30の方法

子どもがある程度の年齢になれば、分別がつくようになります。

交通ルールやお金の使い方を覚え、自分で買い物ができるようになれば、ぜひとも「お使い」をお願いしてみましょう。

お使いとはいえ、さまざまな勉強ができるようになります。

  • 1人で行動する勇気
  • お金の使い方の勉強
  • 商品の標準価格の勉強

さて、この「お使い」も少し工夫を加えることで、実に子どもの想像力を鍛える方法になります。

あなたは、子どもにお使いをお願いするとき、どう指示していますか。

おそらく、カレーを作りたければ「材料」を直接指定してお願いしていることでしょう。

「ジャガイモ、ニンジン、お肉、カレーのルーを買ってきて」

これは普通のお願いの仕方です。

もちろんお使いに慣れていないころは、この方法でなければいけません。

何を買ってくるのかわからないとお使いになりませんね。

さて、そんなお使いも何度も繰り返していれば、慣れてくるようになります。

子どもが十分にお使いに慣れたと感じれば、ぜひ実践していただきたいレベルアップがあります。

「作りたい料理だけ」を指定して、必要な食材を子どもに任せる方法です。

「ジャガイモ、ニンジン、お肉、カレーのルーを買ってきて」という言い方をしません。

「カレーを作りたいから必要な物を買ってきて」という言い方に変えます。

脳にとって、いい刺激になる方法です。

子どもはいつも食べているカレーを思い浮かべながら、買い物に出かけ、食品売り場をうろうろするはずです。

「そういえばカレーにはジャガイモが入っていたな」

「お肉も入っていたし、ニンジンも入っていたな」

「カレーのルーも必要だ」

子どもなりに、いつも食べているカレーを思い浮かべながら買い物をするはずです。

これによって何が鍛えられるのかというと「想像力」です。

頭の中でいつも食べているカレーを思い浮かべながら、入っている材料を分析します。

そうすると、子どもなりに食材選びがうまくなります。

もちろんハードルの高い買い物です。

慣れないうちは難しいと感じるのも事実です。

子どもが慣れないうちは、一緒に行って「○○を作るのに必要な食材はどれでしょう?」とクイズ形式で進めましょう。

初めは、単純な料理からのほうがいい。

「お刺し身を作るのに必要な物はどれでしょう」から始めればいいでしょう。

お刺し身は、お魚1つあればOKですね。

子どもでもすぐわかるはずです。

だんだん食材の多い物へとレベルアップします。

オムライスを作るのに必要な材料。

カレーを作るのに必要な材料。

シチューを作るのに必要な材料。

焼きめしを作るのに必要な材料。

子どもに必要な物を答えさせます。

もし、足りない食材があれば、親がフォローすればいい。

慣れてくれば、1人で買い物をさせるところから、子どもに任せてみます。

ときどき買い足りない材料も出てきますが、そのときはその材料を抜きにして料理します。

カレーやシチューくらいなら、材料が1つや2つ足りなくても、何とか口にはできるはずです。

足りない材料で作られた料理を子どもは食べて、次からは「気をつけよう」と思います。

注意していただきたいのは「できなくても叱らないこと」です。

叱ると、子どものやる気や元気を奪い、つまらなく感じます。

必要な物を買ってくればその分「偉いね。よくできました」と言って褒めてあげましょう。

褒められれば、次からもっとやる気を出すに違いありません。

これは同時に、子どもが料理の関心を高める勉強にもなります。

食事は食べて終わりではなく「何が入っているのかな。何でできているのかな」と、食べるものを注意深くみるようになります。

こうしたことがきっかけで、自分から料理を始める可能性だってあります。

ご家庭で、簡単にできる子どもの想像力を鍛えるトレーニングです。

ぜひ、試してみましょう。

「考える力」のある子どもに育てる方法(5)
  • 「材料を指定するお使い」から「作りたい料理を指定するお使い」にレベルアップする。
大人と子どもとでは、見える景色が全然違う。

「考える力」のある子どもに育てる30の方法

  1. すべての子どもは勉強したい気持ちがある。
  2. 「今知らなくてもいい」という言葉を、禁句にする。
  3. デパートほど、子どもに社会経験させる場所はない。
  4. 食品売り場は、あらゆる人が元気になれる場所。
  5. お使いとはいえ、いい勉強です。
    子どもの想像力を鍛える、いい機会になる。
  6. 大人と子どもとでは、見える景色が全然違う。
  7. 面倒見の悪い親のほうが、子どもはすくすく育つ?
  8. もたもたする時間は無駄ではない。
    手足の運動神経のトレーニングになっている。
  9. 子どもが理解できないニュース番組は、親がわかりやすく説明する。
  10. 生き物を飼うと、子どもの感情が豊かになる。
  11. 子どもから、赤ちゃんができる理由を質問されたときの答え方。
  12. 重大ニュースは、危険を予知する機会に変えろ!
  13. 朝食のバイキングで、家族全体が引き締まる。
  14. 普段は軽い調子でもいいが、しつけのときだけは厳しくなること。
  15. 親が真面目な表情で語りかけると、子どもも真面目に考える性格になる。
  16. 「物は大事に扱いなさい」という親。
    壊れにくい物を与えられる子。
    ここに重大な矛盾がある。
  17. 本当は、泣かない子より、泣ける子のほうが強い。
  18. 「黙って言うことを聞きなさい」より「黙ってないで、言いたいことを言いなさい」
  19. なぜ、子どもははしゃぐのか。
    大切な初心を忘れていませんか。
  20. 「うるさい」と言うだけでは、子どもの教育にはなっていない。
  21. 気分に流されず、子どものしつけに「一貫性」を持たせる。
  22. 一貫性を保てないときは、理由をつけてつじつまを合わせる。
  23. 信用される人間に育てる2つのポイント。
    「約束を守ること」と「嘘をつかないこと」。
  24. 「いい質問だね」という言葉は、質問を褒めると同時に、質問者も褒めている。
  25. 「どこがわからないの?」と尋ねれば、問題の突破口は見いだせる。
  26. 歩くペースを2分の1にすれば、発見は2倍に増える。
  27. 昆虫たちとの触れ合いは、生と死について考えさせられる機会になる。
  28. 物やサービスがあふれる都会がいいとは限らない。
    田舎には、都会にはない昆虫や大自然に囲まれる環境がある。
  29. 日記をつけると、なぜか子どものテストの結果がよくなる理由。
  30. 過去にあった出来事を思い出すことで、子どもは落ち着いた性格になる。

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