執筆者:水口貴博

「考える力」のある子どもに育てる30の方法

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昆虫たちとの触れ合いは、生と死について考えさせられる機会になる。

昆虫たちとの触れ合いは、生と死について考えさせられる機会になる。 | 「考える力」のある子どもに育てる30の方法

私の実家には、庭に大きな桜の木がありました。

今はもう切って、なくなってしまいましたが、当時は大木でした。

春になれば、立派な桜が満開に咲き乱れます。

春には、家族が庭でお花見をするのが恒例になっていました。

その桜も、しばらく経てば花が散り、まもなく夏を迎えると、次はセミたちのすみかになりました。

大きな桜の木いっぱいにセミがつき、大声で鳴きます。

騒音といってもいいほどのうるさい音です。

目の前にある桜の木に、たくさんのセミがいるので、よく網を使ってセミを捕まえていました。

問題が起こったのは、捕まえた籠の中に入れた次の日でした。

あれほど元気でうるさかったセミのほとんどが、籠の中で死んでいます。

生き永らえたとしても、ほんの数日。

実は、土の中にいる時間は5年から7年と長いですが、成虫になってからは1週間ほどしか生きられない昆虫です。

捕まえたと思ったら、あっという間に死んでしまいます。

私はそのとき、生き物は最後には死を迎えることを学びます。

あれほど元気に飛び回っていたセミが、ぴくりとも動かなくなります。

実家は、田舎にあります。

セミに限らず、アゲハチョウ・カエル・トンボ・アメンボ・ホタルもいました。

川には、なんとザリガニさえいたくらいです。

夏には、夜中、ホタルが飛び回っていました。

動物園の中に実家があるようでした。

大きな虫取り網を持って、視界に入ってくるあらゆる昆虫たちを捕まえました。

捕まえては籠に入れましたが、最後はみんな、同じでした。

必ず死んでしまいます。

私はそれを見て、どん底に落とされたような気持ちになりました。

昆虫たちを捕まえては、必ず最後には死んで、動かなくなる。

「自分もいつかそうなるのか」

自分の行く末を見た気がしました。

生きているということは、最後には必ず死を迎えるということ。

「死にたくないよ。嫌だ!」

私は怖くなって親にしがみつき、泣きわめいたことがあります。

子どもながら、絶望を感じました。

生きていることは素晴らしいですが、その反面、必ずいつかやってくる死におびえていました。

数多くの昆虫たちの死を見ることで、昔から死について、よく考える性分になりました。

「必ず最後には死ぬ」

今この瞬間でも、その意識は変わりません。

たくさんの昆虫たちの死に触れたことはつらく悲しいことでした。

しかし、昆虫たちの死の瞬間から、大切なメッセージを受け取った気がしました。

「現実をしっかり生きてほしい。生きている時間を大事にしてほしい」というメッセージです。

かなり若い時期から「生きること」については、よく考える性格になりました。

「どういう人生を送ればいいのか」

「どのような生き方が望ましいのか」

考えた末に見つけたのは「自分を生かす生き方」でした。

自分が好きなことをして、自分が輝く。

輝いた自分がほかの人を照らし、他人にも喜びを与える。

太陽のように自他ともに輝く理想的な生き方を見つけました。

HAPPY LIFESTYLEでも、生と死について触れる文章が多いですが、実はそうした経緯があります。

いつまでもつかはわかりませんが、死ぬまでHAPPY LIFESTYLEは続けていくつもりです。

多くの昆虫たちの死を見てきたため、生きている時間を貴重に過ごしていきたい気持ちが、より強くなったのです。

「考える力」のある子どもに育てる方法(27)
  • 昆虫たちの生と死の瞬間から、教科書では学べないことを学ぶ。
物やサービスがあふれる都会がいいとは限らない。
田舎には、都会にはない昆虫や大自然に囲まれる環境がある。

「考える力」のある子どもに育てる30の方法

  1. すべての子どもは勉強したい気持ちがある。
  2. 「今知らなくてもいい」という言葉を、禁句にする。
  3. デパートほど、子どもに社会経験させる場所はない。
  4. 食品売り場は、あらゆる人が元気になれる場所。
  5. お使いとはいえ、いい勉強です。
    子どもの想像力を鍛える、いい機会になる。
  6. 大人と子どもとでは、見える景色が全然違う。
  7. 面倒見の悪い親のほうが、子どもはすくすく育つ?
  8. もたもたする時間は無駄ではない。
    手足の運動神経のトレーニングになっている。
  9. 子どもが理解できないニュース番組は、親がわかりやすく説明する。
  10. 生き物を飼うと、子どもの感情が豊かになる。
  11. 子どもから、赤ちゃんができる理由を質問されたときの答え方。
  12. 重大ニュースは、危険を予知する機会に変えろ!
  13. 朝食のバイキングで、家族全体が引き締まる。
  14. 普段は軽い調子でもいいが、しつけのときだけは厳しくなること。
  15. 親が真面目な表情で語りかけると、子どもも真面目に考える性格になる。
  16. 「物は大事に扱いなさい」という親。
    壊れにくい物を与えられる子。
    ここに重大な矛盾がある。
  17. 本当は、泣かない子より、泣ける子のほうが強い。
  18. 「黙って言うことを聞きなさい」より「黙ってないで、言いたいことを言いなさい」
  19. なぜ、子どもははしゃぐのか。
    大切な初心を忘れていませんか。
  20. 「うるさい」と言うだけでは、子どもの教育にはなっていない。
  21. 気分に流されず、子どものしつけに「一貫性」を持たせる。
  22. 一貫性を保てないときは、理由をつけてつじつまを合わせる。
  23. 信用される人間に育てる2つのポイント。
    「約束を守ること」と「嘘をつかないこと」。
  24. 「いい質問だね」という言葉は、質問を褒めると同時に、質問者も褒めている。
  25. 「どこがわからないの?」と尋ねれば、問題の突破口は見いだせる。
  26. 歩くペースを2分の1にすれば、発見は2倍に増える。
  27. 昆虫たちとの触れ合いは、生と死について考えさせられる機会になる。
  28. 物やサービスがあふれる都会がいいとは限らない。
    田舎には、都会にはない昆虫や大自然に囲まれる環境がある。
  29. 日記をつけると、なぜか子どものテストの結果がよくなる理由。
  30. 過去にあった出来事を思い出すことで、子どもは落ち着いた性格になる。

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