執筆者:水口貴博

「考える力」のある子どもに育てる30の方法

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子どもが理解できないニュース番組は、親がわかりやすく説明する。

子どもが理解できないニュース番組は、親がわかりやすく説明する。 | 「考える力」のある子どもに育てる30の方法

私が子どものころ、テレビのニュースで聞いてわかるのは、天気や芸能関係の話くらいでした。

そのほかの話題は、専門用語も増えるため、理解に苦しみます。

特に厄介だったのは「政治経済の話」でした。

政治の話は国民に知らせなければいけないというマスメディアの義務があります。

そのため、トップニュースはいつも政治経済から始まります。

いつも不思議に思っていたのは、代表者が数名で「申し訳ございませんでした」と頭を下げている光景です。

3名程度のネクタイにスーツを着た会社の代表者が、一斉に頭を下げるのは、子どもながら異様な光景だったことを覚えています。

「何か悪いことをしたのだろう」

子どもでもなんとなくわかりますが、肝心なのは「どんな悪いことをしたのか」ということです。

ニュースの中で、説明が入っても専門用語が多かったり仕組みが複雑だったりして、理解に苦しんだことを覚えています。

一番知りたいことが、一番理解できなくてもどかしいです。

そんなとき、いつも助けてくれたのは両親でした。

わからないことは「なぜ」と両親に尋ね、いろいろ教えてもらったことがあります。

「人を騙してお金を盗んだのよ」などという説明から始まり、詳しい話を聞かせてもらいました。

そういう親の熱心さは、どこか子どもに伝わります。

あなたにも子どものころ、そういう経験はありませんか。

政治経済の話は、前提となる知識が多くあります。

憲法を知り、政治家の名前を覚え、国が抱えている問題、国の仕組み、大統領と首相の違いや意味。

商品の流通、為替相場、資本主義社会の成り立ち。

政治は経済につながり、経済は政治につながっています。

その政治経済をきちんと理解するためには、前提となる知識が多いがゆえに、なかなか子どもには難しい。

母国語で話しているのに、なぜか理解できないという苦痛を味わいます。

そういうときこそ、親の出番です。

親は、子どもに理解できるような簡易な言葉を使って、ニュース番組を翻訳してあげましょう。

環境問題のニュースでも、政治の話でも、事件の話でもOKです。

子どもが「これはどういう意味?」と疑問を投げかけたことは、興味を持っている証拠です。

たとえ理解の難しい話でも親は、専門用語は使わず、わかりやすく説明してあげましょう。

時には図やグラフを使いましょう。

子どものために時間を省くだけの価値はあります。

せっかく子どもがニュースに興味を持っているなら、勉強するチャンスです。

「そんなことわざわざしなくても、学校が教えてくれるだろう」

まあ、そう堅いことを言わないでください。

結局子どもにニュースの説明をするのは、子どもだけでなく、親のためにもなります。

どんな勉強でもそうですが、生徒になるより先生になるほうが、よく身につきます。

親が教える側になることで、子どもへの教育になると同時に、親もニュースの再認識の機会になります。

親は、政治の勉強を「再認識する機会」になるはずです。

なにより、知識が豊富だと親が子にアピールできる時間にもなります。

何でもよく知っている親を、子どもは「さすがだ。すごいなあ」と感心し、尊敬します。

子どもの成長と親の成長が同時に行える方法です。

ニュース番組を毛嫌いせず、ぜひ有効に活用していきましょう。

「考える力」のある子どもに育てる方法(9)
  • 難しいニュースは、子どものために親が翻訳をする。
生き物を飼うと、子どもの感情が豊かになる。

「考える力」のある子どもに育てる30の方法

  1. すべての子どもは勉強したい気持ちがある。
  2. 「今知らなくてもいい」という言葉を、禁句にする。
  3. デパートほど、子どもに社会経験させる場所はない。
  4. 食品売り場は、あらゆる人が元気になれる場所。
  5. お使いとはいえ、いい勉強です。
    子どもの想像力を鍛える、いい機会になる。
  6. 大人と子どもとでは、見える景色が全然違う。
  7. 面倒見の悪い親のほうが、子どもはすくすく育つ?
  8. もたもたする時間は無駄ではない。
    手足の運動神経のトレーニングになっている。
  9. 子どもが理解できないニュース番組は、親がわかりやすく説明する。
  10. 生き物を飼うと、子どもの感情が豊かになる。
  11. 子どもから、赤ちゃんができる理由を質問されたときの答え方。
  12. 重大ニュースは、危険を予知する機会に変えろ!
  13. 朝食のバイキングで、家族全体が引き締まる。
  14. 普段は軽い調子でもいいが、しつけのときだけは厳しくなること。
  15. 親が真面目な表情で語りかけると、子どもも真面目に考える性格になる。
  16. 「物は大事に扱いなさい」という親。
    壊れにくい物を与えられる子。
    ここに重大な矛盾がある。
  17. 本当は、泣かない子より、泣ける子のほうが強い。
  18. 「黙って言うことを聞きなさい」より「黙ってないで、言いたいことを言いなさい」
  19. なぜ、子どもははしゃぐのか。
    大切な初心を忘れていませんか。
  20. 「うるさい」と言うだけでは、子どもの教育にはなっていない。
  21. 気分に流されず、子どものしつけに「一貫性」を持たせる。
  22. 一貫性を保てないときは、理由をつけてつじつまを合わせる。
  23. 信用される人間に育てる2つのポイント。
    「約束を守ること」と「嘘をつかないこと」。
  24. 「いい質問だね」という言葉は、質問を褒めると同時に、質問者も褒めている。
  25. 「どこがわからないの?」と尋ねれば、問題の突破口は見いだせる。
  26. 歩くペースを2分の1にすれば、発見は2倍に増える。
  27. 昆虫たちとの触れ合いは、生と死について考えさせられる機会になる。
  28. 物やサービスがあふれる都会がいいとは限らない。
    田舎には、都会にはない昆虫や大自然に囲まれる環境がある。
  29. 日記をつけると、なぜか子どものテストの結果がよくなる理由。
  30. 過去にあった出来事を思い出すことで、子どもは落ち着いた性格になる。

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