執筆者:水口貴博

「考える力」のある子どもに育てる30の方法

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重大ニュースは、危険を予知する機会に変えろ!

重大ニュースは、危険を予知する機会に変えろ! | 「考える力」のある子どもに育てる30の方法

ある日、家族で食卓を囲んでいると、テレビで大地震のニュースが流れました。

マグニチュード8級の巨大地震のニュースでした。

テレビには、全壊した民家や血だらけになった人が泣き叫んでいる様子が映し出されていました。

食卓には、少しきつい場面です。

最初は、人ごとのように話が始まります。

親は「うわっ、大変だなあ。すべてがつぶれて台無しだ」と言います。

だいたいいつも、ここから話が脱線します。

必ず「もし」が続きます。

「もし、この場所であれくらいの大地震が来たらどうなるか」と言う父。

「よし。とりあえず、近くに神社があるからそこを家族の避難場所にしよう」と言葉を続けます。

いつの間にか、父は大地震が来たときの避難場所を決めてしまいます。

いえいえ、まだまだ脱線は続きます。

次に母が言います。

この家は建築して20年くらいだから強度が弱ってきている。大きな地震があれば壊れるのではないか。

さらに父が続けます。

「だったら、一度、専門業者に検査してもらったほうがいい。でももし補強工事をするなら、あまり予算に余裕はないぞ」

すると、節約志向の強い母は、鋭い指摘をします。

「だったら、業者が忙しくない時期に言えば割り引いてもらえるはず。壊れてから治すより、長持ちさせたほうが節約できる」

私は口を挟めません。

「考えすぎ。心配しすぎ。そこまで話を進めなくても」

そう思いながらも、両親は真面目な表情で真剣に話し合っています。

自分や家族に関係している話なので、とりあえず話の内容は気になりますし考えさせられます。

そういうことは、日常茶飯事でした。

水口家では、ふとしたニュースをきっかけに、いつの間にか話が進んでいます。

これが、ニュースのいいところです。

単に、ニュースを見て終わりにするのではありません。

重大ニュースを家族で一緒に見て、自分と重ねたり、家族と重ねたりして、考える機会に変えましょう。

テレビで、さまざまな災害や事故のニュースが流れます。

水害・盗難・事故・誘拐・借金など。

こういうニュースが流れるたびに、家族で話し合える機会になるはずです。

小さなテーマでも、かなり幅を広げて話し合える機会になるはずです。

自分の身に降りかからないとは限りません。

人ごとと思えるニュースも、自分に重ねたり、家族に重ねたりして考えると、真剣になれるはずです。

自分や家族に関係している話ですから、子どもは耳を傾けますし、考えさせられる機会になるでしょう。

もちろんこうした話は「危険を予知する能力」につながります。

子どもも家族も危険を予知し、話し合って考える。

テレビニュースは、素晴らしい学習教材なのです。

「考える力」のある子どもに育てる方法(12)
  • テレビのニュースを見て、危険を予知する力を鍛える。
朝食のバイキングで、家族全体が引き締まる。

「考える力」のある子どもに育てる30の方法

  1. すべての子どもは勉強したい気持ちがある。
  2. 「今知らなくてもいい」という言葉を、禁句にする。
  3. デパートほど、子どもに社会経験させる場所はない。
  4. 食品売り場は、あらゆる人が元気になれる場所。
  5. お使いとはいえ、いい勉強です。
    子どもの想像力を鍛える、いい機会になる。
  6. 大人と子どもとでは、見える景色が全然違う。
  7. 面倒見の悪い親のほうが、子どもはすくすく育つ?
  8. もたもたする時間は無駄ではない。
    手足の運動神経のトレーニングになっている。
  9. 子どもが理解できないニュース番組は、親がわかりやすく説明する。
  10. 生き物を飼うと、子どもの感情が豊かになる。
  11. 子どもから、赤ちゃんができる理由を質問されたときの答え方。
  12. 重大ニュースは、危険を予知する機会に変えろ!
  13. 朝食のバイキングで、家族全体が引き締まる。
  14. 普段は軽い調子でもいいが、しつけのときだけは厳しくなること。
  15. 親が真面目な表情で語りかけると、子どもも真面目に考える性格になる。
  16. 「物は大事に扱いなさい」という親。
    壊れにくい物を与えられる子。
    ここに重大な矛盾がある。
  17. 本当は、泣かない子より、泣ける子のほうが強い。
  18. 「黙って言うことを聞きなさい」より「黙ってないで、言いたいことを言いなさい」
  19. なぜ、子どもははしゃぐのか。
    大切な初心を忘れていませんか。
  20. 「うるさい」と言うだけでは、子どもの教育にはなっていない。
  21. 気分に流されず、子どものしつけに「一貫性」を持たせる。
  22. 一貫性を保てないときは、理由をつけてつじつまを合わせる。
  23. 信用される人間に育てる2つのポイント。
    「約束を守ること」と「嘘をつかないこと」。
  24. 「いい質問だね」という言葉は、質問を褒めると同時に、質問者も褒めている。
  25. 「どこがわからないの?」と尋ねれば、問題の突破口は見いだせる。
  26. 歩くペースを2分の1にすれば、発見は2倍に増える。
  27. 昆虫たちとの触れ合いは、生と死について考えさせられる機会になる。
  28. 物やサービスがあふれる都会がいいとは限らない。
    田舎には、都会にはない昆虫や大自然に囲まれる環境がある。
  29. 日記をつけると、なぜか子どものテストの結果がよくなる理由。
  30. 過去にあった出来事を思い出すことで、子どもは落ち着いた性格になる。

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