初めに最も知っていただきたいことがあります。
多くの人が誤解していることです。
「みんな、勉強が嫌いだ」という誤解です。
勉強なんて、ほとんどの人が嫌いだと思いますが、そうではない。
机に向かって詰め込み型の勉強を想像しがちです。
子どもが勉強したくないのは、嘘です。
すべての子どもたちは「勉強がしたい!」という熱い気持ちがあります。
もし子どもが「勉強したくない」と言うなら、子どもの勉強への姿勢を邪魔しようとする親がいるだけです。
本来、子どもは勉強がしたくてたまらない。
その証拠があります。
たとえば、あなたのお子さんは、こんなことを言いませんか。
「これなに?」
「その黒い箱は何?」
「あの空に浮かんでいるものは何?」
さまざまなことに興味を持って、親に尋ねますね。
自分から「これ何?」と聞いてきたことは、言い換えれば「これについて勉強がしたい」と言っているのと同じです。
自発的に勉強しよう、勉強したい気になっている、なによりの証拠です。
しかし、問題なのはその後です。
子どもが「これなに」と言ってきたとき、親の対応は2種類にわかれます。
ここで、子どもの考える力が変わります。
この2種類の対応によって、子どもの行く末がまったく異なります。
「子どもはそんなこと気にしなくていい」というのは、子どもに「勉強するな」と言っているのと同じです。
親が「そんなこと気にするな」と言うと、子どもは「勉強はしなくていい。勉強は悪いことなのか」と思い、勉強しなくなります。
勉強しようとする子どもの気持ちに、泥を塗っています。
一方、子どもの何気ない質問に丁寧に答える親の対応は、子どもが考える力を伸ばしています。
子どもが興味を持っていることですから、親からの説明に対しても吸収が早い。
わかるようになると、子どもはもっと勉強が面白く感じるようになる。
自分から進んで勉強するようになります。
こういう親に育てられると、子どもはすくすく育ちます。
子どもの考える力を左右するのは、子どもではなく、実は親なのです。