グループレッスンでは、他の生徒と一緒に授業を受けます。
みんなと一緒に授業を受けられるのは、グループレッスンならではの魅力の1つです。
賑やかな雰囲気の中で学べたり、友達ができたり、教え合ったりもできますね。
そんなグループレッスンの中で、ときどき「ある光景」が見られます。
生徒によって、先生の教え方に差があるように感じられることです。
特定の生徒には熱心に教える一方で、特定の生徒にはあまり熱心に教えていないように見える。
まるで生徒ごとに、対応を変えているかのように見られるときがあるのです。
先生は、すべての生徒に対して平等に接します。
にもかかわらず、教え方に偏りがあるように見えると、不思議に感じて首をかしげてしまいます。
「先生に問題があるのではないか?」と思いそうになりますが、決めつけるのは早計です。
この現象は、よくある誤解の1つなのです。
まず確認してほしいのは「自分が消極的な姿勢になっていないか」という点です。
先生は、すべての生徒に平等に接しようとしますが、生徒側の熱量には差があります。
やる気にあふれ、積極的に参加する生徒がいる一方、やる気に乏しく、控えめで受け身な生徒もいます。
先生としては、やはり積極的に取り組む生徒のほうが嬉しいものです。
教えやすくて教えがいもあると感じるので、それだけ熱も入ります。
一方、反応が薄かったり質問がなかったりすると、どうしても指導の機会も少なくなりがちです。
消極的な生徒には、先生からの注意が向きにくくなります。
特に「嫌々参加しているのでは」と思えるような生徒には、先生としても声をかけづらく、熱心な指導もしづらくなるのです。
こうした生徒のやる気や姿勢の違いから、結果として「教え方の偏り」のように見えてしまうことがあります。
先生が意図的に対応を変えているのではありません。
生徒の熱量の違いから、自然とそうなってしまうのです。
この現象は、特にグループレッスンで起こりやすい傾向があります。
どしどし質問をする生徒とはおのずと会話量も増え、それをそばで見ていると「あの生徒ばかり優遇している」と感じてしまう。
もちろん誤解ではあるのですが、自然とそう見えてしまう現実があるのです。
先生の教え方に不満を抱いたときは、まず自分の授業態度を振り返ってみましょう。
受け身の姿勢になっていないかと、チェックしてみることが大切です。
習い事は、積極的な姿勢で取り組むものです。
積極的になればなるほど、学びが深まります。
心当たりがあるなら、気持ちを入れ替え、積極的な姿勢を心がけましょう。
授業時間は早めに到着する、授業中は真面目な態度を見せる、わからないことがあればどしどし質問する。
それだけでも先生との関わりが増えていき、自然と学びも多くなるのです。
もちろん原因が自分にあるとは限りません。
自分はきちんと積極的に授業を受けているにもかかわらず、明らかに特定の生徒だけひいきされている。
そんな状況が見られれば、一言指摘を入れることも必要です。
先生がいつの間にか、特定の生徒ばかり目を向けていることがあるかもしれません。
指摘を入れることで、先生自身もはっと気づかされるでしょう。
より公平な指導へと改善されていくのです。