「エコーチェンバー現象」という言葉をご存じですか。
SNSを楽しんでいると、自分と似た価値観の人とつながることが多くなりがちです。
同じ価値観の人と交流すると、快適で気持ちがいいもの。
共感が起こりやすく、意気投合もしやすく、スムーズなコミュニケーションが実現できます。
あることに賛成している人は、賛成している人同士でつるんだほうが快適です。
もちろん自分と似ている人と交流するのはいいのですが、それだけではよくありません。
「みんな賛成しているね」「みんなAの意見なんだ」「この考えが世の中の大多数」という錯覚を引き起こします。
賛成の人は賛成の人同士で集まり、反対の人は反対の人同士で集まります。
価値観の似た者同士で交流することで、特定の意見や思想が増幅される現象があるのです。
狭い部屋で声が反響する様子に似ていることから、これを「エコーチェンバー現象」と呼びます。
考えが偏っているだけであればまだしも、そのことで誤情報が広まったり、攻撃的な意見が増えたりすることがあるのです。
もうひとつ気をつけたいのは「フィルターバブル現象」です。
インターネットでは、ユーザー属性に合わせたコンテンツが自動的に表示される仕組みがあります。
たとえば動画サイトを見ていると、自分好みの動画がどんどんおすすめされます。
書店サイトでは、自分好みの本がおすすめ表示され、映画サイトでも自分好みの作品がおすすめ表示されます。
ちょうど今見ているものと関連しているので、興味を引かれ、ついチェックしてしまいます。
その一方で、自分好みではない情報には接しにくくなるのです。
自分好みの情報が優先され、好みでない情報から遠ざけられる状態があるのです。
ネットの世界では、いつの間にか同じ価値観の世界に入り込んでいて、限られた世界から抜け出せなくなっている状況があります。
「いつの間にか」という点が怖いところです。
泡の膜に包まれている状態に似ていることから「フィルターバブル現象」と名付けられました。
「エコーチェンバー現象」「フィルターバブル現象」に惑わされないためにはどうすればいいのでしょうか。
あえて「反対の意見」「ほかの意見」もチェックしてみることです。
時折足を止めて「自分好みの情報に偏っているないか」と振り返ってみたい。
たとえば、自分が賛成派なら、反対派の意見をチェックしてみます。
自分がAの意見を持っているなら、A以外の意見もチェックしてみます。
読書でも、賛成派・反対派の両意見をチェックします。
相反する意見をチェックしてみることが有効です。
そしてできるだけ幅広い意見を吸収していくことで「そういう考えもあるのか」「新しい発見があった」と気づかされます。
インターネットの世界では、エコーチェンバー現象・フィルターバブル現象が頻繁に起こっています。
そのため自分から意識的に異なる意見・異なる世界にアプローチしてみることが大切です。
さまざまな価値観を受け入れることで、狭い世界・偏った世界から抜け出すきっかけが得られるのです。