「ネットは匿名の世界」
そう思っているなら、いま一度考え直したほうがいいでしょう。
ネットの特徴の1つとしてよく挙げられるのは「匿名性」です。
つまり、自分の名前を隠すことが可能ということです。
匿名であれば、どこの誰だかわかりません。
名前を伏せた状態で、自由にコメントを投稿できると思われます。
悪口や誹謗中傷を書き込んでも、匿名であるゆえに本人を突き止められないように思えるのです。
しかし、ここが落とし穴です。
よく誤解されがちですが、ネットに匿名は存在しないと思ってください。
たしかに表向きは匿名ですが、完全な匿名ではありません。
手続きを取れば、個人を特定することが可能だからです。
ネットの利用は「IPアドレス」というものを使ってサイトにアクセスされます。
IPアドレスとは、インターネットに接続されたコンピューターの識別番号です。
数字だけで構成された無味乾燥な文字列ですが、これが重要です。
匿名であっても「発信者情報開示請求」という手続きを行えば、IPアドレスから個人を特定できてしまうのです。
誰でも使える公衆無線LANを使用すれば、IPアドレスからの個人特定は困難に思えますが、これも誤解です。
絶対不可能とは言い切れません。
利用店舗の名簿や監視カメラなどから、やはり個人の特定が可能になります。
結局のところ、ネットに匿名は存在しないと思ったほうがいいのです。
あくまで匿名に近いというだけであって、完全な匿名ではありません。
表向きは特定であっても、その気になれば、個人の特定が可能です。
この理解があれば、掲示板への書き込みも慎重になります。
ネットに匿名は存在しないと思えば、悪口や誹謗中傷の書き込みは控えるべきだとわかるでしょう。
言うまでもなく、ネット炎上に参加することもNGです。
「匿名だから何を書き込んでもいい」と安易に考えていると、後悔することになります。
ネットの世界は、匿名のように思え、そうではないのです。