私たちはときどき「自信」という言葉を使います。
「自信がある」
「自信がついてきた」
「成し遂げる自信がある」
自信について語るとき「自信」というひとくくりで考えるのは注意したほうがいいでしょう。
自信は、大きく分けて2種類あるからです。
「根拠のある自信」と「根拠のない自信」です。
どちらも自信に変わりありませんが、特徴や性質が違うため、区別して考える必要があります。
根拠のある自信とは何か。
一言で言えば「本当の自信」です。
根拠のある自信は「自信の理由をきちんと説明ができる」という特徴があります。
「自信がある」と言える理由を、実績や証拠を使って説明できます。
根拠のある自信は、客観的な裏付けがあるため説得力があります。
実力と実績が伴っているので、確実性が高く、安定しています。
ただし、根拠のある自信には「身につけるのに時間がかかる」というデメリットがあります。
実力や実績を積み上げるのは容易ではありません。
長い時間がかかり、長期戦になるでしょう。
こつこつ努力を積み上げながら実力を身につけ、初めて達成できます。
根拠のある自信を一言で説明すると「時間はかかるが、強固で安定している」と言えるでしょう。
根拠のない自信とは何か。
一言で言えば「偽りの自信」です。
根拠のない自信は「自信の理由を説明するのが難しい」という特徴があります。
たとえば、強気の態度を見せて、自信があるように見せるシーンです。
初めて挑戦することなら、根拠のない自信を持って挑まなければいけません。
実績はないが「自分はできる」と思い込むことで、湧き出てくる自信があります。
もちろんこれも自信の一種ですが、具体的な根拠がありません。
自信をきちんと説明できる、客観的な裏付けがありません。
そのため、トラブル対応や実力を試される場面では注意が必要です。
あくまで偽りの自信なので、きちんと実力や実績があるわけではありません。
強気の姿勢になることで、うまくいく場合もありますが、うまくいかない場合もあります。
自信があるふりをした結果、失敗すれば、自尊心や自己肯定感を失うこともあります。
ただし、根拠のない自信は「身につけるのに時間がかからない」というメリットがあります。
本人が「自信がある」と思い込めばいいだけなので、時間も努力も不要です。
自己暗示によって士気とモチベーションを高めれば、すぐ自信をつけることが可能です。
根拠のない自信を一言で説明すると「時間はかからないが、もろくて不安定」と言えるでしょう。
あなたの自信はどちらに該当しますか。
どちらの自信も、一長一短があります。
根拠のない自信が悪いとは限りません。
理想は、根拠のある自信を身につけることですが、人生では根拠のない自信も必要になる場面もあります。
根拠のある自信なら、実力と実績をもっと積み上げ、より強い自信につなげていくといいでしょう。
根拠のない自信なら、実力と実績をこつこつ積み上げ、根拠のある自信に変えていくといいでしょう。
2つの自信を区別しておくと、場面に応じて適切な対処がしやすくなります。